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そう広くもない室内。ローソクで視界のきく状況で出口を見つけるのは容易く、すぐに見つかった。その扉は硬く閉ざされているようだったが、鍵がかかっているだけで中から開けるのは簡単のようだ。
イウは鍵を外すとその扉を開けた。

ローソクの火が照らせる範囲はごく狭く、それ以外は相変わらずの暗黒。どこまでも広がっているかのような闇。異世界に繋がっていそうな廊下の一部を頼りない明るさで照らすローソクが今は何よりもありがたい。
一歩踏み出した足音が響き渡るが、その音からして相当広い空間であるようだった。

400年続いた王朝の墓だ。その数はいくつか知れない。それは本当に果てしない広さのように感じた。

ふと、イウは振り返った。部屋の扉には「クウェージア最後の王子ここに眠る 第6期1566年から1580年」と刻まれていた。

やはりぼくは生き返ったんだ。
信じられない気持ちで、しばらく呆然としていたが、やがて出口を探さなければいけないのだと思い出して、彼は歩き出した。

隣の部屋には「グセルガ」の文字があった。やはりグセルガも死んだのだ。その部屋を開ける気には少しもならなかった。立ち止まりもせずにただ、その文字に対して侮蔑に似た眼差しを向けて通り過ぎた。

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