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確信はないが、おそらくそうだ。ならば出口があるはず。
イウは冷たい床の上を這いながら手探りでゆっくりと進んだ。

しばらくして手に何か触った。棒のようなものがある。手を添えつつ上に腕をのばしていくと直角に曲がった先に広い空間があった。
これはテーブル。
これはペン。紙。本。
そして手探りでローソクらしきものを発見した。

しかしここには火がない。もし視界さえ開ければ、なにかいい手段が思い浮かぶかもしれない。
もうすでにイウは泣き出しそうだったが、必死に涙を押し込めて考えた。

ここが廟であるなら、部屋のどこかに暖炉がある。無論、その暖炉に煙突はついておらず使えないのだが、火を起こすためのフリントが横に付いているはずだ。

エクアフ種族の信仰するエルド教では、エルドの復活と同時に建設される超高次元世界の出現を待望しており、死後は高次元世界出現の時まで「死者の部屋」で過ごすという考え方があった。
そのようなわけで、「死者の部屋」は部屋というよりも家の仕様に近く、ベッドや暖炉は当然のこと水場も付いており食料なども保管されている。


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