6/6 「まあ、それっぽいけどね」 なんとなしに嗤笑を浮かべてから、水を一気に飲み干した。 だが、変化はない。自分の身体をあちこち見まわしたが、やはり変わっていそうなところはどこにもなかった。 「これ効果あったの?」 少々不安になって杯にきいた。 「修復は成功した。現在世界機構との再接続を申請している。 回答はすぐに帰ってくるだろう」 「すぐっていつ?」 この世界のすぐがイウの感覚のすぐと同じとは限らない。 「たった今、申請が許可された。転送作業に移る。 基本的に、基本世界と公式個人世界の時間の移行は平行なはずだが、世界再構築時に若干それがずれたようだ。しかし、支障のない程度だろう。これより、君を基本世界へ転送する」 「いきなり? 本当に大丈夫なのか?」 しかし、それを言い終わる前に世界の映像が突然に切れた。 [*前] | [次#] しおりを挟む モドルTOP |