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「どういう意味?」

にわかにエメザレの話題を出されて、イウは怪訝な顔をした。

「ああ、そうだ。その前にせっかくなので自己紹介をさせていただけますか」

流れを断ち切って、ジヴェーダは唐突にそんなことを言った。

「紹介などされなくても、お前が性悪なのはわかっているよ」

言ったが、イウの言葉は聞き流された。

「私は灰色の髪の拷問師です。神は信仰せず、必要とあらば男とも遣る。さて私を軽蔑しますか?」

ジヴェーダの声は、ばかに明るく冗談のようにも聞こえたが、目は真剣だった。突然に性癖まで語られて十四の少年は少なからずたじろいだが、意地になって答えた。

「髪の色や職業を軽蔑する気はない。信仰も個人の自由だと考えている。だが、同性との行為は軽蔑する」

「真面目に答えて頂けて嬉しいです。それでは本題に入りましょうか」

ジヴェーダは明るく言い放ち、作った笑顔をしてみせた。
 イウは不思議に思ったが間髪いれずにジヴェーダは話しだした。


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