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「やめろ!」

気付いた時には既に、イウは力一杯に叫びながらその部屋に飛び込んでいた。
どうやらジヴェーダのこぶしはまだ、エメザレの顔に到着していない。

こんなことができたのか。

イウは自分のしたことに驚いた。
エメザレとジヴェーダは、突然のイウの登場に絶句して固まった。

「王子……なぜ、ここに?」

この状況に気まずさを感じたのか、ジヴェーダはすぐにエメザレを解放した。その問いを無視してイウはエメザレに駆け寄り、彼を抱き起こしながら、ジヴェーダを睨み付けて言った。

「いい加減にしろ! 彼が何をしたっていうんだ。これ以上エメザレを傷つけたら、ぼくが許さないからな! さがれ! 部屋から出て行け」

ジヴェーダはその奸悪のあふれ出す目を細めて、低い位置にいる二人を見ると、なにか言いたげな顔をした。

「なんだ」

「いいえ。失礼いたしました」

納得いかないといった声で、ややぶっきらぼうに言うと、エメザレに一瞥をくれて部屋から出ていった。

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