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「それが、なにが目的なのかわからんのよ。金銭目当てでもないし、というか金銭目当てなら中年か金持ちそうな年寄りを襲うだろうし、さらってどうにかしようというのでもなく、快楽殺人にしても全て一撃で殺しているからこれも違うような気がするし、ただ白い髪で十四、五くらいの少年ばかりを片っ端から殺しまわってる」

「なぜダルテス種族だとわかるの?」

「一人だけ即死じゃなかった奴がいて、死ぬ前にダルテスにやられたと言ったらしい。カルテニは絵に描いたように平和でのどかだったっていうのに、そいつのおかげで村全体が混乱状態だ。村の男衆は総出で見張りに駆り出され、こうして朝から晩までこの辺りを徘徊してるわけ。それがまた暇なんだ。なにせこの辺りは草しかないからな」

一度黙ってから、思い出したようにセウ=ハルフはまた口を開いた。

「そういえば、スミジリアンの町ならどこでもいいとか言ってたが、目的地がないわけじゃないだろう。どこに行くつもりなんだ? それに家族は? というか名前は? なぜあんなとこで寝てた。単に国境を渡りたいなら八号線街道を通ればいいだろう。よりにもよって原っぱを突っ切るのは無謀すぎないか」

セウ=ハルフの質問は多かったが、ごもっともな質問ばかりだった。


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