9/9 「イースが狂ってる?どうやったらエメザレは生き返るの?方法を教えてよ!」 今現在、世界機構の法則の中に死者を蘇らせる方法はない。 又、機構は同じ人物を二度とデザインしない。 方法があるとすれば、新規の住基盤をなんらかの手段で作成し、その中に契約前の遺伝子情報と、第二世界に無作為にばらまかれた3億6954万年分の記録源からエメザレの記憶だけを摘出して入れ、なんらかの手段で第一世界に接続させるというくらいだ。 住基盤の生産ラインは凍結されているし、契約前の遺伝子情報を手に入れるのは難しい。なにより3億6954万年分の記録源から、ランダムにちらばった27年のエメザレの記憶を摘出するのは不可能だ。 「それじゃ具体的なことがわからない!ぼくはなにをすればいいの?どこへ行ってどうすればいいの?世界機構はどこにあるの?」 小さな希望を放すまいとイウは必死に聞いた。 そうだ、わたしは母さんのところへ行かなくては。 母さんが、待っているんだ。 なんだか嬉しそうだった。音域はまた鈍くなり広がっていく。 「待って!聞きたいことがたくさんあるんだ!行かないで!行かないで!」 わたしは君にオルギアへ行くことを勧告する。 アシディアに会うことができれば、彼女は君に力になってくれるかもしれない。 今、君にはそれしかない。 しかし、気をつけろ。彼女はやがて世界を―――――― だんだんと遠のいてゆき、そしてそれきり声のようなものは聞こえなくなった。 [*前] | [次#] しおりを挟む モドルTOP |