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「イースが狂ってる?どうやったらエメザレは生き返るの?方法を教えてよ!」


 今現在、世界機構の法則の中に死者を蘇らせる方法はない。
 又、機構は同じ人物を二度とデザインしない。
 方法があるとすれば、新規の住基盤をなんらかの手段で作成し、その中に契約前の遺伝子情報と、第二世界に無作為にばらまかれた3億6954万年分の記録源からエメザレの記憶だけを摘出して入れ、なんらかの手段で第一世界に接続させるというくらいだ。
住基盤の生産ラインは凍結されているし、契約前の遺伝子情報を手に入れるのは難しい。なにより3億6954万年分の記録源から、ランダムにちらばった27年のエメザレの記憶を摘出するのは不可能だ。


「それじゃ具体的なことがわからない!ぼくはなにをすればいいの?どこへ行ってどうすればいいの?世界機構はどこにあるの?」

小さな希望を放すまいとイウは必死に聞いた。


 そうだ、わたしは母さんのところへ行かなくては。
 母さんが、待っているんだ。


なんだか嬉しそうだった。音域はまた鈍くなり広がっていく。

「待って!聞きたいことがたくさんあるんだ!行かないで!行かないで!」


 わたしは君にオルギアへ行くことを勧告する。
 アシディアに会うことができれば、彼女は君に力になってくれるかもしれない。
 今、君にはそれしかない。
 しかし、気をつけろ。彼女はやがて世界を――――――
 

だんだんと遠のいてゆき、そしてそれきり声のようなものは聞こえなくなった。


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