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「お願いします。父上!母をより愛していたと言って下さい。お願いです」

「エメザレを私の隣に」

高い天井は白く、ただ白く、世界もまた白に包まれていく。
自らが放った「エメザレ」の響きは私の曖昧な脳を揺れ動かし、私の最後の瞬間を祝うかのごとくに、驚くほど鮮明に彼という存在を映し出した。

「父上!一言、一言でいいんです。それでわたしも母も救われる」

「どうか、エメザレを隣に」

彼は今私の目の前で微笑んでいる。あの時のまま。優しいまま。少しも変わらなかった。

私はエメザレを愛したことを一度だって後悔したことはない。
ずっとさらけ出したかった。胸を張って大声で言いたかった。
恥ずかしいことではないと。愛していたのだと。私はずっと言いたかったんだ。

エメザレは私が形成し、私はエメザレによって形成された。
高め合う存在であり、無名の国の王として最終的に私を完成させたのはエメザレの存在である。

「どうか隣に」

私は微笑む彼に言った。
そしてエメザレは私を優しく抱きしめ、その温度を噛みしめながら強く彼を思った。

「必ずや元帥様を陛下のもとへ」

その言葉を耳にした時、融合して私たちは最高の幸福を手にしたので、私は悠然と旅立つこととなった。

「ありがとう」

最後に私の口は動いた。

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