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「ふぅ……う…ぅ」

荒々しい分身を突き立てると、噛みしめているはずの唇から息を漏らした。
国を変えるべくして現れた、黒い髪の英雄とも言えるこの男は今、自分の腕の中で無様に醜態を晒して喘いでいる。なんという充実感であろうか。

「もう……や……やめて…ください」

前の方を弄るとエメザレは途切れ途切れに懇願した。これ以上の醜態を晒したくないとばかりに、快楽から逃げようと床を這う。
ジヴェーダはそんなエメザレの頭を後ろから鷲掴みにして後ろに反り返らせた。瞬間、分身は内部の奥深くまで入り込み、痛みのない快楽だけの場所を突き上げる。

「う……はぁ、ああぁあ!!」

エメザレの前の部分は脈を打ち一層肥大した。そこからは快楽を知らせる透明な液が淫らに溢れている。
それがもう絶頂に近いことは明らかで、ジヴェーダは液を指で拭い取ると弄ぶように握って上下させた。

「あぁ…い……ああああぁぁぁ――――!」

エメザレの身体は反り返って痙攣し、内部はジヴェーダをひどく締め付け、そして果てた。
ジヴェーダはこのエメザレの真っ直ぐな瞳を汚したことが、身体を暴いたことが、とても喜ばしく誇らしくもあり、その満足感と達成感による不可思議な絶頂を迎えて己の欲望のヘドロを内部にぶちまけた。

そして幸福の余韻に浸った。

これこそが生きている意味。
存在の意義。
能力の証明。
涙が溢れるほどにこの瞬間が幸せでならない。

「それで幸せですか」

まるでジヴェーダの心を見透かしたようなことを、エメザレは後ろを向いたまま言った。

「幸せだ。とても。俺は生まれてきて良かった」

正義を砕けてよかった。
誰かを破壊できてよかった。
それで認められてよかった。
成功者になれてよかった。

ジヴェーダはエメザレの背中を見つめて、幸せそうに微笑んだ。

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