悪の終


「それでさっそく本題なんだが……だいたいはフォスガンティから聞いているとは思うが、わたしはきみを拷問師として雇いたいんだ。わたしのノムン闘技場で働いてもらいたいんだが、答えはもう決まっているかね?」
「はい、私としても雇っていただければ助かります。それに閣下のような心の優しい方のもとで働かせて頂けるなど、私は世界有数の幸福者に違いありませんよ。
なにせクウェージアでの私の扱いはゴミより若干マシくらいでしたので」

身のない称賛を吐き出しながら、自嘲的にしかし冗談めいた笑顔でジヴェーダは言った。

「本当か! 嬉しいことを言ってくれるね。ジヴェーダ君。もちろん給料は弾むよ。月一億キーツでどうだね。来たばかりで住む所もないだろうから、ついでにこの別荘をつけよう!
それにしても、きみをそんなふうに扱うなんて、なんとひどい野蛮な国なのだろう。わたしは雇っている人間をとても大事にするよ。友人だと思っているくらいだ! わたしがこうして穏やかに暮らせるのは働いてくれる人たちのおかげなのだからね」

興奮してシクアスの悪い癖でもでたのか、ラルダ・シジはひどい眼力でジヴェーダを直視しながらつらつらと口を動かした。


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