悪の終 「おや! ジヴェーダさんのことはラルダ・シジでなくても、ラルグイムの大半の人が知っていますよ。ぼくも知っていました。ラルグイムで拷問師は花形の職種ですからね。クウェージアの豪腕拷問師ジヴェーダは、ラルグイムの拷問師も憧れる大ヒーローです」 「それはそれは」 クウェージアの外にも自分の名が通っているとは驚きだが、それよりこの呪われた職業がシクアスの悪習ひしめく文化の中では恐れ多くも花形とは、彼にしてみればなんとも滑稽な話である。 「いいだろう。そこで働こう」 ジヴェーダがぶっきらぼうに答えつつ、フォスガンティの手のひらからオールドテラを奪うとフォスガンティは嬉しそうに目を輝かせた。 「ではジヴェーダ様、今からぼくはあなた様の僕でございます!」と、いきなり自らの制服のボタンに手を掛け、「いかなる時でもどうぞご自由に!」と上着を脱ぎ捨て裸の上半身を見せ付けた。 まず、制服の上着の下になにも着ていなかったことに驚いたが、それはこの際差し置いてともかく、フォスガンティの胸には巨大な――エクアフにそんな立派な膨らみを持つ女はめったにいない――とにかく胸には男にはない女の膨らみがあった。 [*前] | [次#] しおりを挟む モドルTOP |