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次の日の朝エメザレは案外冷静な気持ちで目が覚めた。

起き上がるとシーツには血がついていた。久々にしたので切れたんだろうと思った。結構な血がついている割に、そこまで痛くはない。目が腫れている感じがした。腹のあたりを撫でると乾いた精液が張り付いていて、穢れというものを実感した。

これで完璧にジヴェーダの囲い者になってしまったと思った。なんの言い訳もできない。自分をこんな身体にした男にかくまわれていて、そして抱かれた。

ジヴェーダがいなければ、これから先、生きていくこともできないのだ。ここに居続けるしかない。そして多分、またエメザレを抱きに来る。完全なる囲い者だ。

ただおかげで吹っ切れた。
これでエスラールとわかれる理由ができたのだ。これで綺麗にエスラールと終わりにできる。

しばらくぼんやりしているとレイテが入ってきた。汚したシーツのことをなんと言い訳しようかと考えていると、

「入浴のお支度が整っております。そのままでは、お身体が気持ち悪いでしょう」
と彼女は全てを知っているかのような口ぶりで微笑んだ。

彼女の顔には驚きも嫌悪も浮かんではいない。
まるで転んで汚れてしまった子供の服を、さも当然に洗濯するかのような口調だ。本当に不思議な施設だと思った。

「出血しているようですね。診察されますか?」
「いいえ。慣れているので平気です」

その日から女性用の入院着が支給された。理由も説明されなければ理由を聞いて来るものもいなかった。

そして、エメザレは愛国の息子達に対し、嘆願書の要請を全て受け入れる意思があることをしたためた手紙を送った。


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