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 エメザレは身体を折り曲げられ、半分畳まれるような姿勢にさせられる。腹の辺りまで持ち上げられて、自分のペニスと、血と白い精液でぐちゃぐちゃになっている腹部が見えた。溶け合う血と精液の配色は、さっき食べた苺ミルクを思い起こさせた。
 その体勢のまま男はペニスを強力に突きたて、よく見せ付けるように大振りの動作で抜き差しさせて、淫猥(いんわい)な音を響かせる。

「くっ……う、んッ……!」

 突かれる角度が変わり、呼吸が圧迫する。
 滅茶苦茶に内壁を突かれて、ひきつったような叫び声をあげて、すすり泣いた。

「……っあぁ、あ……ん、――んんっ……」

絶頂を迎えると放たれた自分の精子が顔にかかり、喘いで、だらしなく開かれた口にまで垂れてきて僅かな苦味が舌に広がった。


◆ 

「い、イく……! あ、あっぁん、ああああ――!」

 もう何度果てたかわからない。さっきから絶頂感がずっと続いている。身体も意識もなにもかも痺れていて、ペニスは触られてもいないのに怒張(どちょう)をやめない。快楽を感じる以外になにもできなかった。

 エメザレは激しく揺さぶられ、男が望むまま蹂躙(じゅうりん)され続けた。
 白い世界が目の前にやってきている。飛び立つのではなく連れ去られる気分だ。思考らしきものを保っていられる限界だった。涙が視界を霞ませて、なおさら現実感を奪っていく。美しい白い世界。

「……は、ぁ」

 エメザレは息を吐いた。
 もう永遠に正気に戻れないような恐怖が、徐々に浮かび上がっていく。最後の本能がシンプルにとても恐がっている。恐くて耐えられない。完全に堕ちる前に逃げなければ精神も肉体も崩壊するだろう。感覚に抵抗しなければと思った。

「ふ、……んぅ……」

 手が確かに動く。


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