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「……無理、む……り」

 ものすごい圧迫感と共に熱いものがめり込んでくる。濡れることもなく、ほぐされてもいないそこは、滑りが悪くて奥まで入らない。裂けるどころか、腹が突き破られるのではないかと思うほどぎゅうぎゅうに切迫しているが、それでも男は一切力を緩めずに、力任せに押し込んだ。破れそうなのに痛みがない。侵入する瞬間に引き裂かれるような恍惚が走った。

「ひっ……あああぁ……――!!」

 最深部を抉るように強く突かれ、経験したことのない快楽が一瞬で脳を埋め尽くし、エメザレはまた絶頂を迎えた。濡れるはずかないのに、中にたくさんの精子を出された後ように、熱くぬめる液体で満たされて、その気持ちよさでヒクヒクしている。
 本当に内部が溶けているのではないかと思った。

「……あ、ぁ、……ん、はぁ……」
「ほら見て、これが入ったんだよ」

 男は自らを引き抜いた。それと同時に自分の中からは大量の血が噴き出したのが見えた。痛みなど全く感じないのに、産まれたての新生児ほどの大きさのそれは、取り出したばかりの内臓のように鮮血で包まれている。

「や……、ぃあぁあああああ――――!」

 あまりの出血の酷さに寒気を感じで、立ち上がろうと力んだが、足はほとんど動かず、中から血が出てくるだけだった。
 こんなことをされているのに性器はずっと痛いほど肥大したままで、血がどろりと溢れてくる度、排泄に似た生理的な快感が走った。

「ほら、また入れるよ。いっぱい突いてあげるよ」
「あぁぁ、や、……ンっ、ああぁ!」

 出てきた内臓を戻すように、男はまたエメザレを犯した。血が心地いい潤滑油となって、圧迫感はありながらも、すんなりと押し入ってくる。押し戻そうと力を入れるが、締め付けてしまい、どんどん快楽に犯されていく。悲しいのか快楽のためか、把握できない曖昧な涙が流れた。

「あ……だ、め、……イっ、ちゃ……う、っ」

 頭のどこかで死を感じながら、逃げることもできずに、まとわりつく恍惚をただ受け入れるしかなかった。
 わけがわからないまま、またペニスから白い液体が放たれる。自分の意志ではもう止めようがなく、絶対に逆らえない法則のように、果てしない欲情が治まらない。

「何度イくつもり? 本当にいやらしい子だ。お腹の周り、君の精子でいっぱいだよ」

 男は囁いて哂った。


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