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「お願い?」

「総監に僕が会いたがっていると伝えてください。でなければ、僕が二号隊に戻りたいと望んでいることを伝えてください」

「……もしかして、仮病?」

 先生はちょっと怒った顔で聞いてきたが、エメザレは答えなかった。
 確かに下半身は重ったるくて調子がいいとは言えなかったが、訓練ができないほどではなかった。おおよそ仮病であっている。
 自分から誘うなんて、我ながら淫売に磨きがかかってきた、と自嘲したくなった。

「悪い子。容赦してやらないから」

 と言ってから、先生は噛み付くような荒々しいキスをして、ズボンの中に手を滑らせてきた。



◆◆◆

「ぃ……いやっ、や、いやぁぁああ!」

 両腕を押さえつけられたまま、足を折りたたまれて、前から犯されている。
 身体は完全に陥落してだらしなく足を開き、快楽を卑しくむさぼっているというのに、なにが嫌なんだろうと自分でも思う。

 中を突かれるたびに愉悦と共に中身のない空白が入り込んできて、腹の中でどんどん膨らみ、苦しくて内臓が破裂しそうな気分になる。

「そうやって、いやって言うとみんなが喜ぶの?」

 エメザレは力なく首を振った。

「それとも強姦プレイが好きなの?」

 先生は意地悪い声で言って笑う。

 身体中がよくないもので満たされているのがわかる。けれどもひとは有害なものを求めてやまないものだ。

「あぁ、ああああぁぁっ、いやぁぁぁ!」

 先生は激しく腰を打ちつけてくるが、行為に慣れきっている身体は痺れるような心地よさしか感じない。好きで好きで堪らないとばかりに先生のペニスを締め付けて、余計に快楽を増徴させ、制御できないほどの疼きと空虚に襲われる。

「そんな大きな声出したら、誰かが来たとき誤魔化せなくなっちゃうよ? いいの? それとも見てほしいの?」

 今度はゆっくりと焦らすように中を突いてくる。緩い刺激にもどかしさを覚えて、自分から腰を動かしたくなるのを必死に我慢する。

「せ、先生、……だっ、て、同じ……」

 先生だって困るのは同じだ、と言いたかったのだが鈍い意識の中で、言葉がうまく出てこなかった。

「僕はいいの。だって死ぬ気でしてるんだもの」

 先生の穏やかな瞳には狂気と慨嘆が混在していた。先生の男に欲情する性癖は死ぬまで治らないだろう。きっと自分もだ。これがガルデンを生きたものの成れの果てだ。身体が腐ったまま死んでいくのだ。先生は未来の自分の姿なのかもしれないと考えると、ひどく切なくなって、心を捨ててしまいたい衝動にかられた。

「どうしてお尻を犯されてこんなに感じてるの?」

 先生はエメザレの足を大きく開かせて、ひく付きながらそそり立っているペニスの濡れた先っぽを指先で突いた。視界が霞むような強烈な快感で身体が何度も痙攣する。



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