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自分がどこにいるのかよくわからない。ここがどこなのかもよくわからない。
「ああぁ……あ……ゃっ」
泣いているのだ。だが少しも悲しくはない。傷付いてもいない。心と身体が完全に分離している。身体は喘ぎ泣き叫び、絶頂の境界線を彷徨っている。
「……もっ、と――し、して。もっと……突いて。突いて突いて突いて突いて」
信じられないほど猥雑な言葉を吐いて、ペニスは痛いほどに勃起している。敏感に震えているペニスの先からは透明な汁がにじみ出て、生き物のようにゆっくりと垂れていく。
「この淫売が。ケツ犯されて嬉しいか」
誰かのペニスが腸を抉るように突き上げてくる。地面で跳ねる猟奇的な魚のように腹の中で暴れている。
「う、うああぁ……ああ、あああぁぁああ!」
身体が勝手にそれを締め付ける。切断できそうな強さだ。拒みたいのか気持ち良いのかわからない。嗚咽が漏れる。誰のペニスでもいいと思う。身体が痙攣し、その勢いで中に溜まっていた精液は差し込まれたペニスとアナルの間から溢れて、カエルの鳴き声ような音をたてた。煮え立った泡みたいなものが吹き出てきて、下腹部を汚していく。中で掻き回されて融合した生命になれない塊だ。
「汚ねぇな。お前。これ何人分の精子だよ」
ペニスが引き抜かれた。ボトボトと卵の白身のような粘膜が零れ落ちる。身体が空っぽになった気がして、虚しくて堪らなくて呻いた。
「は……やく、突いて――し、んじゃ……う」
「聞いたか? こいつチンコ欲しくて死ぬんだって」
「バカじゃねぇの」
「いいじゃん。顔、綺麗なんだから。ケツ汚くても」
こいつらは誰だろう。知っているはずなのに、なにも思い出せない。
口の中にペニスが詰め込まれた。顎が痛いほどの太さで、しょっぱくてほんのりと鉄の味がする。鼻から息を吸うと小便を蒸らしたような匂いがした。それが感覚の敏感になっている鼻腔に絡み付いて取れない。
「んんっ……ぐ、……ひ、うぅ」
「これで満足か? え、嬉しくて死にそうだろう」
食道まで到達しそうな勢いで口の中を突いてくる。猛烈な吐き気に襲われるが、出かかった嘔吐物はペニスと空気に押されて胃に戻り、再び逆流しては戻り、それが何度も繰り返される。
誰かが尻を乱暴に叩いて持ち上げた。さっきとは違う形状のペニスが差し込まれ、今度は中で円を描くように動き始めた。内部の壁にぴったりくっつくように動くそれは、心地よい場所を確実に擦る。
「うぅ、……うぁ、あ、ぐっぅ」
原始的な快楽で身体中が痙攣し、もう自分の体重を支えられなくなった。床に突っ伏しそうになるのを、誰かは許さない。髪と尻をそれぞれ引っ張られて、腹部だけが床の冷たさを感じた。頭と尻が反り上がり這いつくばる姿勢は、なんだか昆虫のようだ。床は先ほどアナルから噴き出た精子でぬめっていて、腹部は冷えた生臭いスープに浸っているようだった。
すっかり自分の胃液の味に染まったでかいペニスが、殺意でも持っているかのような勢いで喉を打ちつけ、口の中では唾液と精液と途中まで出てきた嘔吐物がめちゃくちゃに混合されて、それが鼻から垂れてくる。
だがそんなことはお構いなしに、アナルの中のペニスはぐるぐる暴れ回って、全部を帳消しにするような官能を脳に与えている。
「やぅ、うう、ああぁ、ぐ、うぅ」
筋肉がひきつり、感覚がおかしくなり、鼻から塩水を吸い込んだようにヒリヒリして、顔全体が痛みの熱に包まれ、絶叫したくなって思い切り息を吸い込もうとした時、気管に勢いよく精子が流れ込んできて、精子の海で溺死しそうになった。
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モドル