豪炎寺さんってなに考えてるのかよくわかんない! 無口だし無反応だしあんまり笑わないしクールだしかっこいいし、あ、これは関係ないけど。けど、これだけは言える。豪炎寺さんは円堂さんを好きだ。そしてついで言うと、鬼道さんのことも好きだ。豪炎寺さんの隣を陣取ろうとすると、豪炎寺さんは移動して円堂さんや鬼道さんのところにいってしまう。それを防ぐために豪炎寺さんの腕をとるけど、豪炎寺さんは首を傾げるだけだ。
 好きです、って言ってもそうか、で終わってしまうし、好きって言葉は何回も繰り返したら豪炎寺さんが慣れちゃいそうだから言わない(俺天才!)。

「と言うわけで飛鷹さん、円堂さんの隣を埋めてください」
「…なんで俺なんだ」

 飛鷹さんはそういいながら、眉間にシワを寄せた。俺は考えた、すっごく考えた。そしたら先に円堂さんの隣を埋めれば豪炎寺さんは自然と残る、そして、そこに俺が登場、なんてまたまたすごいことを浮かんでしまった。
 そんなわけでそれを飛鷹さんに協力をしてもらうために飛鷹さんの部屋に乗り込んだのだ。あ、それ以上眉間にしわを寄せたら人相ひどいことになりますよ! 言ってあげようとしたけど、飛鷹さんがため息をついたのでやめてあげる。

「だって、飛鷹さんキャプテンすきでしょ?」
「いや、キャプテンは好きだが、ずっと隣にいるほどじゃないしな、その前に豪炎寺と鬼道が…」
「飛鷹さん、それは言い訳って言うんですよ! 円堂さんが他の人に取られていいんですか!?」
「ひ、必死だな、虎丸」

 俺の勢いに飛鷹さんはひとつ後ろにさがった。実行しましょうね! 笑えば飛鷹さんは渋々と頷いた。

 さて、夕御飯の時間になる。俺は飛鷹さんを見ると、飛鷹さんはやつれた顔でわかったと口パクで言う。おれと飛鷹さんはトレーを持って、今日の夕御飯を取りに行った。木野さんがいっぱい食べてくださいね! なんて笑うから、ちょっと大盛りにして。そして遅れて円堂さん、鬼道さん、そして豪炎寺さん!が来た。いざ出陣! と飛鷹さんを肘でうつと、飛鷹さんはいやいや円堂さんに近寄った。

「キャ、キャプテン。」
「おぉ飛鷹! どうした?」
「話したいことがあるっす」
「ん、そうなのか? なら一緒に座ろうぜ」

 席取っといて、と円堂さんは軽く言うと飛鷹さんはうす、とお辞儀した。よくやった、かりでも先輩に親指を立てれば飛鷹さんはどや顔で俺を見た。
 むかつくけどナイスプレーです、飛鷹さん!
 俺はお目当ての豪炎寺さんの元に行こうとすると、豪炎寺さんはいない。どこに行ったかと、キョロキョロしていると、円堂さんの隣に座っている。しかもはじっこなので俺が座るところなし

「とーびーたーかーさあああん!」
「ななな、なんだ!?」
「円堂さんをはじっこに座らせてくださいよ、じゃないと飛鷹さん隣に座った意味ないじゃないですか。つーか閉じ込めてくださいよ、そんくらい考えたらわかんだろいいかげんにしろ飛鷹」
「え、なんでため口?」

 とりあえず、ムカついた俺は小声で飛鷹さんにもんくを言ったあと、明日には吊るし首にすることにした。さて、仕切り直しで俺は仕方なく豪炎寺さんの前に座った。鬼道さんは毎回豪炎寺さんの近くに座ろうとするけど、そんなことさせません。

「豪炎寺さん! 明日一緒にランニングしましょうよ!」
「すまん、虎丸。明日は円堂と…」
「えっ!」

 また円堂さんって!
 俺は飛鷹さんにアイコンタクト(と言う名の脅し)をした。飛鷹さんは、いやいや円堂さんに話しかける。

「キャプテン、俺もシュート受けてほしいっす」
「ああ? いいぞ!」
「というわけで、豪炎寺さん! その間一緒に練習しましょう」
「あ、ああ」

 豪炎寺さんは圧倒されたように言った。よくやった飛鷹、頭の中で考えているといつの間にか俺の隣にいた鬼道さんが口をひらく。

「なら、立向居にしてもらったらどうだ? 立向居の練習も強化させたいしな」

 えぇえ、なにいってんの、この人ぉお! いい加減にしてくださいよ!
 俺は飛鷹さんの足を踏む。ぎりぎりと踏む。飛鷹さんは、汗をかきながら鬼道さんに言った。

「お、おれ、キャプテンがいいっす」
「だがな、チーム強化のために立向居も練習しなきゃいけないんだ」
「あ…、はいそうっすよね。わかりました」

 しかも飛鷹、なに頷いてるんですか。こいつ協力する気ないんですか。俺が歯軋りしながら飛鷹さんをみると、飛鷹さんは目を合わせなかった。これはこれは反抗期のようで。しつけしなおさないといけませんね。

「飛鷹さん、ちょっと表出てください」
「ひぃ、は、はなせ、虎丸ぅうう」

 俺と豪炎寺さんがくっつくまで、頑張ってくれますよね、飛鷹さん!






その頃。

「はは、飛鷹と虎丸は相変わらず仲がいいなー!」
「…そうだな。」

 勘違いしている円堂と豪炎寺でした。








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