「ッッッ!!!
だっ……だめっ!!」
「黙れ!」
「ヤダっ、帰れなくなっちゃう!
外に出らんな……」
「うるせえ!!」
「やああぁっ!!」
バクラのナイフが乱暴に私の胸元を切り裂いていく。
皮膚に肉薄するナイフの冷たさに息が止まる。
「や……めて……」
ナイフが今にも皮膚を切り裂いてしまいそうで、頬を切られた時の痛みが脳裏に蘇り思わず声を漏らす。
ナイフはシャツを切り裂き終えたところで、ブラジャーの下に潜りこんだ。
「ッ――」
心臓が凍る。
ブチリという衝撃を感じた時には、双丘を抑えつけていた下着は真っ二つに裂かれ、弾かれた膨らみが顕わになっていた。
「や……だ……」
涙がこみあがってきて、チリチリとした感触が喉を狭めていく。
「覚悟しな……!」
吐き捨てられた言葉には怒気が篭っていた。
「ばくっ……んんん!!」
噛み付くように唇を塞がれ――
否、本当に噛み付かれた。
「!! っんうっ!!」
唇の端にキリリと痛みが走る。
痛みから逃れたくて首を振ろうとするが、リングの力で抑えつけられているため叶わない。
噛まれた歯の感触が離れたと思ったら、唇で包みこむように傷口を吸われた。
「んぅ……」
じんじんする痛みと、唇の甘い感触が一緒くたになって私を混乱させた。
バクラの舌が歯列を割って入り、乱暴に咥内を荒らしていく。
血の味が口に広がって舌を引っ込めようとしたが、深く入り込んだバクラの舌に絡めとられ、舌を強く吸われ、頭の芯が痺れた。
――ふと、四肢の硬直が解ける。
バクラがリングの力を解いたのだと理解し、伸ばした腕を引き戻そうとしたら唇が離れ、白い手に前髪を思いっきり掴みあげられた。
首がカクリと上を向く。
不安を感じてバクラを見つめたら、今度は首筋に噛み付かれた。
「ッた!!!」
ギリギリと歯が肉に食い込む感触。
「いたい!! バクラぁ……!」
耐え切れず懇願する。
痛みが和らいだところで――救われた、と思ったが、そうではなかった。
髪を掴んだまま引っ張られ、乱暴に床に放り出された。
「あっ――!」
バランスを崩し、フローリングの床に倒れこむ。
ついた膝と腕に走る固い衝撃。
「バ……」
体制を立て直す前に、バクラに覆い被さられた。
乱暴な手つきでスカートをたくし上げられる。
私は、これからバクラにされるであろう事を理解して硬直した。
「だめ……」
また視界の端でナイフがちらつく――今度は下半身をまとっていた下着を切り裂かれた。
「だめ……! だってプール……」
「うるせえ! 黙れ!!」
ガイィンという激しい音が耳元で響く――
バクラが、ナイフを私の顔の横で、床に突き立てたらしい。
「っ……!」
絶句し、横目で見遣ると、フローリングに突き立てられたナイフが不気味な鈍い光を放っていた。
プールに行ってからお風呂入ってないし――などと言おうとした温い余裕は一瞬で霧散する。
バクラの双眸に宿るギラついた光を目の当たりにしてみれば、私は言葉を失うしかなかった――
バクラの指が乱暴に秘部をまさぐる。
「たっ……」
強引な指の感触が粘膜を荒らし、引き攣った痛みが走る。
全く濡れていないというわけではなかったが、いつものような、潤っているという状態からは程遠かった。
しかし、そんな状態でもお構いなしにバクラは強引に指をナカに沈ませて来る。
「っいっ……、痛い!!」
渇いた指が乱暴に中に捩じこまれ、思わず悲鳴をあげる私。
だが、バクラは黙ったまま指で乱暴に中を押し広げ、指をもう一本差し込んだ。
「ったい!! やっ……バクラぁ……! 痛いよ……!」
指で急に押し広げられたソコは、ヒリヒリして痛みだけを主張していた。
切られたり、噛まれたりした時とは違う痛みが全身を支配していく。
――涙が零れた。
「……オレ様の事が好きなんだろ……?
乱暴にされても嬉しいんだよなァ桃香サマは……!」
バクラが口を開く。
自分勝手にしか聞こえないであろうその言葉には何故だか悲痛なものが篭っているように感じられ、それまで怯えるばかりだった私はハッとした。
バクラの瞳が揺れる。
(どうして――
どうして、そんなに悲しい瞳をしているの……?)
バクラの瞳から何かを読みとろうとしたところで、私の中から指が引き抜かれる。
ヒリヒリする痛みと圧迫感が和らいで、ホッとしたのもつかの間、脚を押し広げられ、秘部に猛ったバクラが押し当てられた。
「っ!!!!」
鉄の杭のようなバクラが無理矢理ナカに捩じ込まれる。
「っいた!! 痛い!! バクラ!! 痛いよ……っ!!」
身を捩って懇願するが、がっちりと脚を抱き込まれ、杭は更に奥へ乱暴に侵入して来る。
「やだっ……、こんなのやだよ……」
自分でもわかるほど無様な涙声で悲痛な叫びをあげる私。
潤っていない入口が引き攣って、ヒリつきながら無理矢理こじ開けられていく。
「痛い……、」
目をきつく瞑ると、涙がとめどなく溢れ出して頬を濡らしていく。
バクラ自身は、やがて奥に到達すると、ゆっくりと律動をはじめた。
「ひっく……、っく……」
私はもはや、泣きじゃくるしかなかった。
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bkm