奇跡ってあるんだなって、その時は本気で思ってた。
「そういうのは信じない主義だけどな」
「言うと思った。」
でも私は信じてるけどね。君と出会った奇跡、君と恋に落ちた奇跡。私と君の何もかもが奇跡で出来てるんだって思ってるから。そうでもしなきゃ私はきっと君の隣にはいない。
そう言うと君が嫌がるのも全部知ってるし、嫌がらせをしたいわけでもないんだけれど。きっと今が壊れないように予防線を張っていたいだけ。少しでも笑顔が崩れれば君がすぐに気付いてしまうからね。
空に輝く星のように自由になりたいと思った私の隣で、あの空の星まで駆けて行こうと君は言った。君の世界は彩り鮮やかなのね。私の世界はいつだって君一色なのに。まっすぐな視線と、目の前の掌。少しだけ笑って私は、差し出されたその手を取った。夜。
無限の可能性というやつ。君を表す言葉の一つ。君の隣で笑顔を作る、私の上限はここまでだけど、君の上限はないらしい。君の彩り鮮やかな世界の中の、一つの色になれたんだったら私はそれで構わなかった。私が望めば君がどこまでも連れて行ってくれる。一緒に行こうと言ってくれるなら。ナマエという言葉を特別にしてくれるなら。俺達は出来ると、君がそう思うなら。
「ナマエが言うなら、やっぱり奇跡はあるんだろうな」
「でしょ」
「…ってことにしとくかな?」
「…本当にあるんだってば!」
───君はいつだって眩しい。
星だって掴めるよ(Color stars!)
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