うぜえうぜえうぜえうぜえ。女ってのは図々しすぎる。ファンだからってべたべたしてくんじゃねぇ。気持ち悪ィ。複数の女から触られまくって全身が汚された気分だった。早くアイツんところに帰りたい。苛立ちを隠せない。早足で帰路を辿る。

ガツガツと階段を上ってドアの前。三回ノックで部屋の中からぱたぱたと足音。アイツだ。がちゃがちゃと鍵の開く音、ドアが開いて、ナマエが顔を出す。おかえりなさい、と、言ってる途中くらいで押し入って抱きしめた。


「ど、どうしたの」
「疲れた…マジ疲れた」
「え、え、先お風呂入る…?」


このまま汚された気分でいるのは嫌だったから、さっさと風呂に入ろうと思った。風呂で体をがしがし乱暴に洗った。女共の、頭が痛くなるようなキツイ香水の匂いが残っている気がしてならない。気持ち悪い。

風呂から上がると、ナマエの後ろ姿。料理をしている。風呂から上がった俺に気付いたナマエは、もうちょっとだから座って待ってて、と笑った。…思わず、後ろから抱きついた。


「W!」
「ナマエ、疲れた」
「…今日、本当に疲れたんだね」
「癒せ」


腹のあたりに腕を回し、うなじのあたりに額を押しつけた。くすくすと笑いながら、ナマエは鍋をかきまぜる。…今日は、シチューだ。


「随分余裕がないんだ?」
「だから甘やかせって言ってんだろ」
「はいはーい」




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