アンタの後ろ姿が気に食わない。危険なこと辛いことは全部一人で背負い込んで、いつも傷つくのは自分自身。私だってアンタを守りたいのにいつだって守られてる。そんなの嫌なの。アンタと全部分かち合いたいし何でも 話して欲しい。アンタにとって私はただの他人なの?どこか一線を引いては私を遠ざけるアンタの、その線を越えちゃいけないの?私ばっかりアンタを頼ってる。私を頼ってよ。力になれないかもしれないけど、私はアンタの傍にいたいのよ。


「素敵な告白ですね」

「ふざけないで」


ソファーに腰掛けたWの膝の上に跨がって、問い質すように突き詰めてみる。相変わらずWは話を上手く流すけど、もう我慢できない。私の話を聞いて、私の質問に答えて!首に腕を回してみてもWはただ笑ってるだけで、少しの苛立ちを抑えて彼の唇に噛み付いた。相変わらず余裕を見せる彼は何の対処もせずに私を眺めていた。キスの最中に目を閉じないなんて、どう考えても邪道でしょう。


「今日は随分と積極的じゃありませんか」


私の腰に腕を絡ませて、斜め下から誘うように見上げる、熱を秘めた瞳にぞくりとし た。さっき私が噛み付いた彼の唇からは血が流れている。ほんの少しの罪悪感で再び唇を重ねれば、今度はWが私の唇に噛み付いたのだった。 口内に鈍い鉄の味が広がったのはそういうことでしょう。


「痛いよ」

「貴女の方こそ」


そして今夜も堕ちていく。




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