「亮先輩いるよ」
「えっどこ!?」
「ほら、あそこに」


ブルー寮、私の部屋で友達(りーちゃん)と話していたときに、「ほらほら」とりーちゃんが窓の外を指差した。見てみると、寮の外に亮先輩の姿が。女子寮に来たということは、明日香さんに用があるのかな。彼の姿に釘付けになる私に、りーちゃんは「声かければ?」と呟いた。声かければって、窓から…?さすがにそれは…と言い掛けたところ、りーちゃんは躊躇なく大きな音を立てて窓を開けたのだ。ちょっと、そんな大きな音を立てたら気付かれちゃうでしょ!?と叫び(後に気付いたがこれも十分大きな声だった)ぱっと窓の下を見ると、案の定亮先輩が此方を見上げていた。いきなり窓が開いたから気になっただけなんだろうけど、窓から私が顔を出すと微笑んでくれた(かっっっ…こいい…!!)


「こっこんにちは亮先輩!」
「ああ、ナマエ。丁度いい。今時間はあるか?」
「えっ、あの、」


今は友達が部屋に来てて、と言おうとして振り返ると、いつの間にかりーちゃんは部屋から消えていた(!?)恐らく空気を読んでいなくなったのだと思われるが…。りーちゃんの為にクッキー焼いたのに、ひとつも食べないで彼女は帰ってしまった。悪いことしたなぁ…しょぼくれていると下から私の名前を呼ぶ亮先輩の声がして、我に返る。


「すまない、忙しかったか?」
「あっ、ごめんなさい、大丈夫です!」
「そうか、良かった」


亮先輩は続けて、「時間があるから、少し外で話さないか」と言ってくれたのだ!まさか、わざわざ私に会いに来てくれていたなんて…光栄すぎて倒れちゃいそう。顔が真っ赤になってないといいけど。「ちょっと待っててください!」ばたばたと走ってキッチンに行き、可愛いパラフィン紙にクッキーを包む。もう一度窓に駆け寄り「今から行きます!」と声をかけてから、部屋を飛び出した。




(亮先輩これ!私が焼いたクッキーなんですけど…!)(俺に?ありがとう、ナマエ)((りーちゃん!!亮先輩が!!笑ったよ!!))(フ、お礼にデュエルでもするか)(え!やったぁ!!)




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