「あ、亮先輩!おはようございます!」
「…ん?」
「って、え、近い…!」


朝から廊下で亮先輩を見つけた。今日はいいことありそうだな、と思って元気に挨拶。すると挨拶が返されることはなく、代わりに亮先輩の顔が私の顔に近付き…というか、もうちょっとで唇くっつきそうなんですけど…!?もしかしてこれがいいこと!?そんな馬鹿な…。亮先輩の行動にパニック状態の私。あの、その、としか言えず慌てていると、私の顔に亮先輩の手が伸びてきた。思わずぎゅっと目を瞑る。すると、亮先輩の手は私の前髪をさらりと梳いた。


「前髪、切ったのか」


その言葉を聞いてぱっと目を開くと、次の瞬間には、もう亮先輩は私から離れていた。似合っているぞ。そう言って微笑みながら私の頭にぽんと手を置いて。またな、と去っていった亮先輩の後ろ姿をただただ眺めていた。顔を両手で覆う。昨日の夜、何となく伸びてきた前髪を切りそろえたんだけど。それを亮先輩が、気付いてくれた。顔が熱い。絶対赤くなってる…!好きな人に些細な変化を気付かれるというのはなんて嬉しいことなのだろう!


「幸せ!!」
「朝から元気ね、ナマエ」
「明日香!聞いて聞いて!!今ね…」




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