今日は亮がいない。昨日は吹雪がいなかった。何かというと、昨日今日はこの人たちの誕生日なんです。学園内で有名な彼らは、一日中ファンに追い回されているらしい。私はというと、明日香と吹雪と3人で仲良くお昼ご飯を食べているところです。今日は運良くドローパンでたまご(黄金ではないけど)が引けたっていうのに、何だか全然美味しくない。不機嫌そうにしていると、目の前にいる明日香と吹雪が笑っていた。


「寂しい?亮がいなくて」
「そんなことありません」
「強がらなくてもいいんだよ?」
「強がってません!」


吹雪のからかいにも屈せずパンにかじりつく。因みに昨日の吹雪の誕生日にはショコラのドローパンをあげました。「亮は僕以上にプレゼント貰うのかねぇ」吹雪がおもむろに呟いた。ここデュエルアカデミア最強のデュエリスト、カイザー亮。尊敬してる人だって、恋心寄せてる人だってたくさん。吹雪はイケメンだけど馬鹿っぽいからね。「確かに…」「2人とも酷いよ!」それに比べて亮はクールで知的でイケメンで、非の打ち所がない。「ナマエも亮のこと好きだもんね」うるさいよそこの三枚目!


「…って、何で吹雪が知ってんの!?」
「あら、気付いてないの亮だけよ?ナマエわかりやすいから」
「そうそう。みんな知ってるよ。ナマエは亮が好きだって」


た、確かに私は亮のことが好きなわけだが、そんな本人にだけばれてないなんて漫画じみたことあるわけが「あるよ、ここに」吹雪うるさい。「えっ、もしかして気付いてないと思っていたの?」明日香までそういうこと言う…現に亮は気付いてないじゃない。「だって亮は鈍感だもの」「超がつくほどにね!天然だし!」ちょっと待って、それは亮以外の全員がこのことを知っているってことに「まぁ、知ってるんじゃないかな」…穴があったら入りたい…!「今更穴に入ったところで遅いと思うけどね」「そうね」もうやだこの兄妹、どこまで私を追い詰める気なの。


「あ、……そ、そうだ!ナマエは亮のどこが好きになったの?」
「……わ、私も気になるわ。ナマエ、教えてくれない?」
「何で急にそういう話になるの…」


そんなに理由があるわけじゃなくて…普通に一目惚れっていうか。初めて見たときから気になってて、デュエルしてるとことかかっこいいなって。「僕もデュエルしてるときはかっこいいでしょ?」え…、普通…。「ナマエ酷い…」まぁ、亮や吹雪みたいな有名人とこんなにお話できるようになるとは思わなかった。明日香とお友達になるのも、私でいいのかなって思ったし。「みずくさいこと言わないでほしいな」「そうよ、もう友達になっちゃったんだからそれでいいの。」うん、みんなと話してみて印象もちょっと変わったよ。もっと話しづらいのかと思ってた。亮は特にね。そのギャップもあって、好きになっちゃってたのかもな。


「…だって!亮よかったね」
「えっ!?亮いたの!?」
「ナマエの後ろにずっといたんだが」
「ごめんなさいナマエ。でもいい機会かと思って…」


慌てて後ろを振り返ったら、いつのまにか亮がいたのだ。一体いつから「俺のどこが好きなのか、とか言っていたあたりだな」結構前!声かけてよ!「お前の口から聞きたかった」そんな優しい顔で微笑まないで…えっ、ていうか私、亮の目の前で亮のこと好きだって言ってたの?…恥ずかしい!「問題はない。俺もナマエが好きだ」えっ!?…超展開きた!!「全然超展開じゃないわよ?亮だってずっとナマエのこと見てたじゃない」「なっ、何故明日香が知っている!?」「この鈍感カップルめ!羨ましいなあ」なんだか意にそぐわない形で発覚してしまったんだけど、もしかして両想いだった?




(今年は最高の誕生日プレゼントを貰った。ナマエ、お前だ)(りっ、亮…!)(それから、俺に何か言うことはないのか?)(あっ、お、お誕生日おめでと…!)(あぁ、ありがとう)
(漸くくっついたわね…)(うーん、ちょっと寂しい気もするけどね)(フフ、片想いしてる2人を見るの楽しかったものね)




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