はむ。
ナインがベッドで体育座り。その足の間に、私が体育座り。私は雑誌を読んでいて、ナインがそれを抱きしめている。膝のところに雑誌を開き、ぺらりとページをめくる。後ろのナインが暇そうにしている。ぐいぐいっと私の襟元を乱し、マントをしゅるりと解かれ。上着をずりおろし私の肩が露わになったところで、満足そうに首元をはむはむし出した。
ないんー
んあ?
くすぐったいー
ぺろりと首筋を舐められたかと思えば、ちう、と吸われ。あー跡残したなーっと頭の隅で考えていた。ぺらり、雑誌のページをめくる。彼は私の髪の毛をかき上げると、うなじに口付けていた。さほど気にもせず雑誌を閉じる。肩に触れるナインの髪の毛がさらさら、かゆいけど、心地良い。ベッドの端っこに雑誌をべしっと投げつけ、こてん、と後ろに頭を倒す。彼はようやく首元から顔を上げ不思議そうに私を見た。
犬みたい…
は?
んや、なんでもなーい
じゃあ言うな
えへー
かじかじ、今度は私の肩口を甘噛みしているナインに、本当に犬みたいだなぁと思った。自身の肩に噛みついている彼の頭を撫でると、手を掴まれて、指を舐められた。つまるところ今私は彼に独占、されているようだ。負のイメージしかない言葉だが、彼にしてみればなんとも甘美なものらしい。しょうがないから好きにさせておくか、と妥協した。
のだが、調子に乗った彼が上着の下、タンクトップの中に手を入れてきたので、思いっきりつねった。
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