私は今、絶賛寝たふりの最中である。場所は0組教室。先ほどエース、キング、トレイと共に実習を終え、帰ってきた。教室に入って窓側の席に座り、日差しが気持ちよくてついつい、疲れていたこともあって、机に伏せていた。ところで、ドアを思い切り開け放し教室に入ってきた人物の存在を確認。こんなに騒がしいのはナインしかいない、と顔を上げるまでもなく判断した。ナインはそのままの勇み足で私の方へ来て、そのまま隣の席に座ったようだ。「おい、」と呼びかけられるも、なんだか起きるタイミングを逃したのと、ちょっと面白そうだからそのまま寝たふりを続けていた。


「…寝てんのか、コラァ」


少しだけ、寂しそうな声。全くこの甘えたは、図体ばかり大きくなったただの子供じゃないか。そういうところが可愛くて、放っておけないのは、確かだけれど。ナインは小さく「帰ってきてんなら、顔くらい見せやがれ」と呟いて、私の頭を撫でた。置いていかれて寂しかったのだろうか。


「…何で四人で行くのに、お前以外男なんだよ」

「意味わかんねぇ」

「なんか、むかつくだろ、コラ」

「…聞いてんのかよ」


彼の口からどんどん愚痴がこぼれてくる。なんというかまぁ寂しくて他の人に嫉妬していたらしい。本当にからかいがいのある…というか、可愛いやつだ。「おい起きろよ」と体を揺さぶってきたナインは、寝ている私に話しかけるのは飽きたのか、もう待てないらしい。しょうがないから話をしてやるか、と体を起こそうとしたのだが。「こんなところで無防備に寝やがって…」ナインが私の耳元で囁いたことによって、体は静止した。


「起きねぇんなら、襲うぞ」



いじめすぎた(その後私はすぐに飛び起きて、彼は残念そうな顔をして舌打ちをしていた)




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