「まー正直そんなに興味ないんだけどさ」
「おう」
「ナインの好みの女の子ってどんなんなの?」
「興味ないなら聞くんじゃねぇよオイ」


いや、興味ないってゆーか暇つぶしにはなるかなーって思ったんですよ。作戦までまだかなりの日があるのだが、授業もない、課題もない、やることが何もない私たちはのんびりと裏庭のベンチに並んで座って日向ぼっこに勤しんでいた。やはり年頃になると、女子の間ではそういう話で持ちきりなのです。割とサイスがそういう話好きなんだよね。けど男子ってそんな話してるの見たことも聞いたこともないからちょっと気になった。最終的にはそんなに興味があったわけじゃないんだけど。


「俺の好みはな」
「ふんふん」
「ナマエみてーなのかなぁ」
「わたしー?やめときなって」


こんな女、めんどくさいこと極まりないから。ナインにはあれだよ、デュースみたいな大人しい子がいいんじゃないかな。ナインの面倒見てくれるような優しい性格の。ていうかデュースとかどうなの?まぁ私たちなんて全員家族みたいなもんだし、お互いにそういう感情は起こらないかしらねー。そう呟くと、はぁ、と重いため息が聞こえてきた。「お前馬鹿か」うるせーよナインにだけは言われたくない言葉だよソレ。


「こんな時に言うのもなんだけどな」
「うん?」
「俺結構マジだかんな、コラ」
「えぇえ、マジで私みたいなのがいいの?」
「ていうか、ナマエがいい」


へ?とナインの方を振り返ると、割とまじめな顔をしていた。耳まで赤くなっている。というか、私みたいなのが本気で好みなの?え、私今…えっ?この状況何?私がいいって何?もしかして告白されてる?あのナインに?「何とか言えコラァ」と噛みついてきたナインに「ちょっと黙れよ」と切り返して、ナインが静かになったところで私は再びパニックに陥った。
そりゃあ、まぁ今まで家族としか思ってこなかったけど。意識してみたら。ていうか意識しなくても。ナインってめっちゃかっこいーじゃんか。やばいなんか私まで赤くなってそう。



今日から変わる。




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