小説 | ナノ


「ハウル、あなたそういえば美しくないと生きる価値がない、なんて言っていたね」
「ああそうだとも、あんな髪の色、しかもまじないを他人に弄られての色なんてみっともなさすぎるだろう!」
「個人的には、その青い眼がよく映える君の地毛を見られて感謝しているのだけど」

少し間をおいて、そうかい?また染めようと思っていたけど翠がそう言うならまだしばらくこれでもいいかしら、なんて年頃の乙女のように照れる美青年を見守る。
おまえ美形に産んでもらってよかったな…その恥じらいはイケメンじゃなけりゃその年ではアウトだ……などと考えながら、その美青年の本日のコーディネートを見やった。

いつものローブは羽織らずに椅子の背に掛けて、襟の開いたシャツに細身のパンツ、腰の細さを強調するようなカマーバンド。
イケメンだとか美青年だとか、そういう言葉がよく似合うファッションだ。ただ、気になることがある。

「あなたすっごく華奢だね」
「え、えっ!?あー……まあ、そうだね、魔法使いだもの」
「なのに腰はしっかりしてるな……ちょっとこのカマーバンド締めすぎじゃない?」
「うわ、ちょっと翠、やめて腰掴まないで」
「骨格はすごくきれいだし太めなのね。筋肉と脂肪が薄い感じかな」
「やめて胸やめて」
「これなら背中と胸に筋肉付ければサマになるよ、ローブからも肩パッド取れると思う」
「なんで肩パッドのこと知ってるの!?なんで肉体改造の話になってるの!!?」 
「しないの?」
「する!!」



「なあハウル……たまに茶ァ飲みに来るあの姉ちゃんなんなんだよ…」
「きゅう……友人だよ……じゅう……昔戦地で……はー……出会ってね…」
「毎回ハウルに筋トレ勧めていくじゃんか……魔法使いじゃねーのかよ…」

***151002からちょっとずつ
出会いも考えてたんだけど濃すぎるから気が向いたら別に作ろう。



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