小説 | ナノ


衝撃的な言葉を発した今剣、だという少年に背を向けて、腰に纏った管から仲魔を召し出す。

「モコイさん、ちょっとこれどうしたらいいですかね」
「翠チャン、ボクさっぱり展開がわかってないんだけどネ?いくらボクでもこの状態でアドヴァイス求められたら困っちゃう」
「実はかくかくしかじかで……」
「なるほどナルホドまるまるうまうま……ってわかるワケないね!チミったら相変わらずお茶目さん。でもでも急ぎじゃなかったの?」

そうだった、つい変な選択肢があるとそれを選んでしまう。気を取り直して話そう――と思ったところで、別の管からも仲魔が現れる。

「モコイばっかりズルーい!!翠っ、アタシにもそーだんしてよ!」
「モーショボー……勝手に出ちゃだめだって、もう」
「まあまあ、ケチンボなことは言いっこなしっすよ。んで翠ちゃん、ボクらとしたい作戦会議ってなんなのよ?」

自分が審神者というものに任命されたことは既に伝えていたので、刀の付喪神と契約を交わしたこと、そして、ヨシツネの守り刀と名乗った今剣の話をする。

「えっとー?つまり、翠は、そのイマノツルギって子とヨシツネを会わせてもいいのか困ってるってこと?」
「うーん……まあそうなる、のかな?」
「しっかしサァ、翠チャンが悩んでもどうしようもないんじゃないかとボクってば思っちゃうね。」
「えーっ!モコイってばハクジョーモノだ!!翠が悩んでるのに!」
「いやいや、そんな焦った結論はトゥーバッド。考えてもごらん、付喪神になっちゃうくらい古い刀とその主人のストーリィっすよ?ボクらがくちばしつっこむほうがヤボヤボくんじゃない?モコイさん嫌だなァ、馬に蹴られてファーラウェイ。ミルキーウェイはやっぱ地上からが一番美しいと思うんすよね。」

「まあ、確かに私が悩んでもどうしようもないけど……これから同僚になるんだし、どうせなら仲良くやってほしいと思うんだよね」
「じゃあじゃあ、なにかあったらアタシとモコイが仲裁したげる!それなら翠も安心でしょ?」
「モー・ショボーはなんで今ボクまで巻き込んじゃったの?馬には蹴られたくないってボク言ったっすよね?」
「だってほっとけばいいって言ったのモコイだもん!セキニンはとらなきゃいけないんでしょ!?」

収拾のつかなくなりつつある会話に見切りをつけて、待たせていた今剣たちのほうへ向きなおる。と、あっけにとられたような顔みっつに迎えられた。

「あるじさま、その……そこのものたちは、いったいどこからあらわれたのですか」
「妖怪か?俺は鵺を斬った刀だけど、そいつらも斬るのか?」
「審神者さま、まずは彼らに説明をなさってからのほうが……まあ、遅かったようですが」

そうだった。うわ、なにを説明すればいいんだ。


***150817 モコイさんとモー・ショボーと。



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