小説 | ナノ



政教分離なんてできっこない。それがオカルトに囲まれて育った私の持論だ。
事実、今この国――どころか世界、は、付喪神なんてオカルティック極まりないものに命運を預けるしかないじゃないか。
そもそも、多くの人を抱えれば抱えるほど、そんなものに縋らざるを得なくなるのだ。人は、弱い。

さて、わかったような口を利く私は宇治川翠、デビルサマナーとか呼ばれることのある存在である。
古くは日ノ本の成立まで遡る、この国を霊的に守護する超国家機関ヤタガラス。その傘下たる『葛葉家』の分家のひとり。それが私。

本当ならば、私はただのヤタガラスの一員でいるはずだった。
ほどほどの能力で、巫女なりなんなり、とにかくそこそこの下っ端として生きていくつもりだった。
そんな人間がなぜ政教分離なんてものに言及しているのか――簡単だ。見つかってしまったからだ。審神者適正とかいうやつが。

*150609



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