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「ごめんな、講習が長引いちゃって」
待ち人の声が聞こえたと思ったら、次の瞬間に翠の耳に届いたのは手首を戒めていた男の狼狽した声、それから、同世代の男よりは少し高めの彼の「ほら、逃げるぞ!」という指示だった。
それが聞こえるが早いか否か、三木ヱ門は翠の手をとり一目散に走り出す。ふと後ろを見ると髪から滴を落とし湯気を上げている男がよれよれのタオルで体を拭っているのが見えた。
そのまましばらく三木ヱ門のダッフルコートのフードを追っていたが、彼の歩みは急に止まった。周りを見るとそこは自宅に程近い公園で、そのなかに設置された自販機に最も近いベンチの前。振り返った三木ヱ門はどこか罰の悪そうな顔で頬を染めていた。

「あー…あの、翠、待たせてごめん。えっと…痛かったろ」
「三木おそい!それにびっくりした。あとさっき何したの?」
「…翠待たせたからお詫びにってあったかいのを買って行ってたんだよ。そしたら翠が絡まれてて…ぼ、僕も驚いたんだよ!」
「えっと…つまり?」
「持ってた飲み物を投げてたんだ!…買ってからしばらく経ってたし、そんなに熱くはなかったと思うけど…」
「え!…っとー、うーん…。うん、助けてくれてありがとう?」
「あー…うん。じ、じゃあ行くか。デート」
「…ね、もっかい手つないじゃだめ?」

もう一度きつく、今度は絡めた指先であたためてあげる!
Merry Christmas

メリークリスマス(笑)
田村は勢いで行動して後悔していそうなイメージでございます^^^
お持ち帰りはご自由にどうぞ!
Merry Christmas in 2011!!
Have nice days!!
euphonium 炉施 拝



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