小説 | ナノ


きっかけなんてものはもうすっかり忘れてしまったけれど、忘れてしまったくらいなのだからきっとそう大したことではなかったのだろう。
思い返すのも億劫なくらいの昔、―――わたしは人であることをやめた。

なんてシリアス気取ってすみません、一回言ってみたかっただけです。
わたしはいわゆる仙人というやつだ。法力もあるし霞も食べられる。酒も好き。
ちなみに今は久し振り(多分200年ぶりくらい)に会った友人達との宴会の帰りである。あいつらマジ酒豪。翠ちゃん超飲み過ぎちゃった。…正直空飛んでるのきつい。羽衣制御して浮くのがこんなに大儀とは…思わなかったよ…

ぼふっ!

…?えっと、ちょっと待って。今のは何?白い何かがえっと、わたしの体を掠って…えっと、直撃はしなかったけど羽衣に当たって…
オーケイ、クールにいこう。ありのまま今起こった事を話すぜ!
「おれは空を飛んでいたと思ったらいつのまにか落ちていた」
何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからない…
頭がどうにかなりそうだ…!
二日酔いの頭痛が急に酷くなった気がして、目の前が暗くなって、気が遠くな…あ、まずい、落ちてる。真っ逆さま。

「……き、っぎゃああああああああああああああっ!!」

やべえ。下。地面。硬そう。ていうか人がいる。でも気付いたっぽいから多分大丈夫。むしろ私が危険。や、私仙人だけど。伊達に仙女してないからやたら丈夫だけど。でも、流石に、ここから落ちたら、雲が下にある高さから落ちたら、

「骨の一本くらい逝く…!!!」

せめて落ちた先に救護所的なサムシングがありますように。



**1204
リアル天女主が書きたかったの。



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