「女一人で俺達に向かって来ようってのか?随分と頭の悪い奴みてえだな!」
『あんた達何言ってんの?私に相手してもらえること、光栄に思いなさいよ』



構えたピストルを放てば、パンという軽快な音とともに目の前に居た男達が次々と倒れていく。
人間であって人間でないモノ。
それが私達が始末するべき対象。




ピピッという機械音が、着信を知らせる。
携帯を手に取って画面を見れば自然と溜息が零れた。



『ごめん、呼び出し』
「お前に来るってことは、俺にも……来た」



週末ということもあって、久しぶりに一護と飲んでいた。
お酒が入っているのに大丈夫なのかとも思ったが、こんな時間にいきなり呼び出すのだからこれくらい勘弁してほしい。



「じゃ、俺着替えてくるから」
『うん』



一護が部屋を出ていくと、私も急いでクローゼットを開ける。
そして、支給された黒いスーツに身を包み、ポケットにナイフを押し込む。
最低限、自分の身は護れと手渡されたモノ。
その重さにも漸く慣れてきたところだ。



『じゃ、行きますか』
「今日も死ぬなよ」
『私を誰だと思ってんの』



短い会話の後、マンションの前につけられた黒塗りの車に乗り込む。
中に入ると、もう見慣れた人物が笑顔で待っていた。



「相変わらず仲が良いのだな、お前達は」
『仲が良いんじゃなくて腐れ縁』



その人物、朽木ルキアはギリアの一員となった私のいわば教育係を務めていた。
それもつい先日終わったのだが。



「ルキア、今日はどこだ?」
「一護が向かうのはB‐17だ。ゆりは私と本部に行く」
『え、私も現場に行くんじゃないの?』



てっきり一護とともに任務だと思っていたので、本部に行くと言われて拍子抜けする。
漸く仕事を任せてもらえると思ったのに。



「ゆりはまだ所属が決まっていない。今日は所属先を知らせるために呼んだのだ」
『ふうん』



途中で一護を下ろし、私とルキアは本部へと向かった。


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