ずっとギンと一緒だった。
死神になって五番隊に入って、兄代わりだった隊長が居なくなった後もギンは私の傍に居てくれた。
ギンが出世すれば私も嬉しかったし、何より自分が彼の役に立てるのが嬉しかった。
それなのに、ギンは私を裏切ったんだ。



そして、私は自らギンに殺された。



『ギン、どうして私を……』
「全部思い出してもうたんやね。言い訳なんかせえへんよ、ボクは藍染さんに逆らうことができひんかった。藍染さんにゆりを殺されるくらいなら、せめてボクの手で終わらせたかったんや。まさかゆりが自ら飛び込んでくるとは思わへんかったけどな」



私の手をそっと握るギン。
伝わってくるぬくもりは確かに彼のもので、ずっと私が欲しかったものだ。



「ボクな、ずっと前から記憶があったんや。昔の、死神しよった時の」
『他の人達は?』
「ボクが知る限りでは誰も覚えてへん。藍染さんもな」



ボク、必死でゆりんこと探したんよ?と笑うギンは昔のままだ。
何がどうなっているのかわからないけれど、どうやら私たちはこの世界に再び生を受けたということなのだろう。



「せやから、もう何も心配なんてあらへん。今度こそ、ゆりと一緒に居れる」
『ギン……』
「あん時はごめんな、もし許してくれるんやったら」



そして、ふわりと私の身体を包んだ。
耳元でささやかれたのは、ずっとずっと欲しかった言葉。



「ずーっと一緒に居ってや」



言葉にならなくて、何度も首を縦に振った。
あの日拒絶されたことも、命を奪われたことも、全てはこの時の為にあったのではないかと思う程に、ただ幸せだった。


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