>> 1 「今日はLUSTYのオーナーと一緒だ。」 香奈の誕生日から数日後、上司の日番谷から意外な言葉が告げられた。 意味がわからないでいる香奈に乱菊が声をかけた。 「真子から言われたんでしょ?LUSTYのアクセサリーを使いたいって。私がギンに頼んじゃった」 『余計なことを…』 乱菊を睨みながらも、香奈は今日も打ち合わせの予定だった真子の元へと向かう。 待ち合わせ場所に着くと、真子が既に来ていた。 「遅くなっちゃってすみません」 「俺も今来たところや」 三人はテーブルに向かい、打ち合わせを始める。 「LUSTYのオーナーはいつ来るん?」 「もう来ると…あ、ギン!」 ギンと呼ばれたその男は、笑顔でこちらに手を振っていた。 「どーも、LUSTYのオーナーの市丸ギンいいます」 すっと真子に手を差し出し、ギンはにっこりと笑う。 なんとも人当たりのいい作り笑いだ。 「どうも、Faustのリーダーの平子真子です」 その名前を聞いた瞬間、ギンの笑顔が崩れる。 「平子真子?お兄さん、もしかしてdecideのシンジとちゃいます?」 『ギン、ちょっと…』 香奈の声も空しく、真子がにこやかに頷く。 「知っとったんですか、そら光栄です」 「ほんまですか!ボクdecide大好きなんです。解散してもうて寂しかったんですよ〜」 真っ青になっている香奈を他所に、話が盛り上がる二人。 事情を知っている乱菊は苦笑しながらそれを見ている。 prev//next back |