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その後も打ち合わせを続け、気がつくと日が暮れようといた。
真子はおもむろに時計に目をやる。



「もう六時やないか。そろそろ終わりにするか」



香奈も時計に目をやり、ギンと約束していたことを思い出す。



『そうですね。それでは続きはまた後日ということで』

「せや、香奈今から時間ある?飯でも行かへん?」



席を立とうとする香奈を真子が止めた。
香奈は真子のほうを見るとにっこりと微笑んだ。



『すみません、今日は先約があるので』



香奈は席を立ち、真子の元を去った。



「先約、か…」



一人残された真子も席を立ち、店を出た。
外に出た香奈が目にしたのは、高そうなスーツに身を纏うギンの姿だった。



『ギン!』



香奈が名前を呼ぶと、ギンもこちらに気づき手を振りながら歩いてきた。



「もうそろそろ終わる頃かな思うて迎えにきたんや」

『ごめんね、打ち合わせが長引いちゃって』



かまへんとにこにこしながら言うギンに
香奈も思わず頬が緩む。



「ほな、行こか」



香奈を促し、ギンは今香奈が来た方向へと歩き出す。



『どこに行くか決めてるの?』

「まあな。ボクのお気に入りの店や」



香奈もギンの横に立ち、二人は並んで歩く。
背が高くその髪の色もあり、人目を引くギン。
すれ違う人々が二人を振り返る。
今ではもうすっかりその視線にも慣れた香奈は、それを気にせずギンの隣を歩く。
それを見ていた人物にも気づかずに。



「香奈!?あれは…LUSTYのデザイナーやないか…」



その人物、真子はそっと手にしていた小箱を握り締めた。

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