なぁ夜、もし…もしボクが死んだらどうする? ボクは…夜が死んだらきっと生きて行けへん… 「ギン!ご飯できたから起きて!」 今日も夜の作ったご飯のええ匂いと、夜の声で朝を迎える。 「嫌や…もうちょっと寝る…」 「だめ!イヅルさんが困るでしょ?」 何時ものように夜に布団を剥がされて、ボクはまだ眠たい眼を擦りながら布団を出る。 「今日のご飯も美味そうやなぁ〜」 「ほら!早く食べないと遅刻するよ!」 せっかく夜が作ってくれたんや、しっかり味わって食べなあかんのに… ご飯を食べ終わったら、夜が洗濯してくれた死覇装を着て、隊長羽織を夜が着せてくれて、ボク等は一緒に部屋を出る。 今日もええ一日の始まりや。 「じゃあギン、私はこっちだから」 そう言って夜は別の方向へと歩いて行く。 夜は五番隊や。 藍染さんの隊やっちゅうのは気に入らんけど、藍染さんも夜のこと大事にしてくれてはるみたいやし、いずれはボクのとこに異動させるつもりやった。 「ほな、昼休みにな」 そう言ってボクは三番隊に足を進めた。 夜と一緒に居るようになってから、ボクはちゃんと仕事するようになったんや。 なんでかって? そんなの夜に言われたからに決まってるやないの。 ボクは夜の言うことならなんでも聞くんや。 ―昼休み― おかしいなぁ、夜が来おへん… 何時もなら鐘がなったらすぐにボクんとこ来るのに。 笑顔で、二人分の弁当持って。 仕事が忙しいんやろうか、そう思ってボクは五番隊へと向かう。 「藍染さん、夜居てます?」 隊首室に行ってみたけど藍染さんが居らへん。 仕方ないからその辺の隊士を捕まえて尋ねたんや。 「そこのキミ、七席知らへん?」 なんや…そんなに怯えんでもええのに。 ボクこんなに笑顔やないの。 別に怒ってないで? 「七席は…あっ!藍染隊長!」 隊士は藍染さんのとこに走って行ってもうた。 なんやの?人のことお化けみたいに… 「どうしたんだい、ギン?」 「藍染さん…夜何処行ったか知りません?もうお昼やのにボクんとこ来ないんですわ」 ボクが尋ねると、藍染隊長はいつもの人の良さそうな笑顔で答えた。 「聞いてなかったのかい?彼女なら今日は現世任務で夕刻まで戻らないよ」 嘘や。 夜は今日もお昼にボクんとこ来る言うたもん。 「そんなことあらしまへん。夜は朝、昼にボクんとこ来る言うてましたもん」 「ああ…今朝いきなりだったからね。きっと君に言いに行く時間がなかったんだよ」 なんか釈然とせえへんやったけど、居ないもんは仕方ない思うてボクは隊に戻った。 → back |