「で、どないするん?」



黒とギンと夜の三人は今後どうすればいいのか考えている。
ギンだけでなく黒まで此方の世界に来てしまった以上、何とかして戻る手立てを考えなければと焦りが募る。



『なあ黒、月光華と連絡取ることはできねえのか?』



おもむろに夜が黒に聞く。
すると”黒”はばっと立ち上がった。



「そうだよ!俺らは元々一つの斬魄刀なんだから俺がアイツと連絡取ればいいんじゃねえか!」

「キミ…そないなことも気づかんやったんかいな」

「…っ煩え狐!」



ギンに掴みかかろうとする”黒”を止め、夜は月光華と連絡を取るように言った。



「ちょっと集中するから話しかけんなよ」

「心配せんでもキミに話すことなんてないし」

『ギン!』



黒に好かれていないことに気づき、横柄な態度を取るギンを宥め、夜は黒の様子を伺った。



「どうしましょうかねえ…」



浦原商店、いまだ解決の糸口が掴めず、四人は悶々としていた。



「夜がどうにかして力を取り戻してくれればいいんだけど…」



月光華が口を開いたその時だった。
突如頭痛に襲われ、月光華はその場に倒れる。



「おい、どうしたんだ!?」

「…アイツだ…アイツが…」



月光華の脳内に響いてきたのは黒の声だった。



「よう”白”、元気か?」

「てめえ…こんなに強く送らなくても聞こえてるんだよ!頭痛えからちょっと力抑えろ!」

「悪いな。で、俺らはそっちに戻れんのか?」

「わからねえ…でも、てめえと夜がいねえと困るんだよ」

「あ…悪いけどもう一人いるんだよな〜」

「もう一人!?」

「ほら、あの狐。名前は忘れた」

「狐って…市丸か!?」

「確かそんな名前。じゃあ、方法見つかったら教えろよ」



プツンと音がして、黒の声が消えた。
月光華は座りなおし、三人に向こうの状況を伝える。



「夜たちはやっぱり向こうの世界にいるみてえだ」

「やっぱりそうっスか…早く戻す方法を探さないと」

「あと、向こうに居るのは夜と”黒”だけじゃねえ」

「どういうことっスか?」

「市丸が…市丸ギンも一緒らしい」

「「「はぁ!?」」」



三人の声が見事にハモったのは言うまでもない。



「市丸?なんでアイツまで向こうの世界に行ってんだよ!?まさか、藍染が…」



険しい顔をして考え込むのは冬獅郎。
無理もない、尸魂界の裏切り者であるギンが夜と一緒に居るというのだ。
この件に藍染が関わっていると考えてもおかしくはない。



「いや…それはないやろな」

「平子…どうしてそう言い切れるんだ?」



それとは対照的に、他の三人は藍染は関わっていないと断言した。
不思議そうな顔をしている冬獅郎に月光華が口を開く。



「おいチビ、てめえは知らねえだろうが、藍染は夜には手出ししねえよ。市丸も同じだ」

「どういうことだ!?まさか、月闇はあいつらの仲間…」

「そんなわけないやろ。夜はこの世界のことをよう知っとる、この先起こることも全部や」



これ以上隠すことは無理だと思い、真子は夜について話した。
夜の元いた世界ではこの世界のことが物語となっていること、そして夜はこの世界に来たときから藍染たちの裏切りが起こると知っていたことを。



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