―現世、浦原商店



「浦原…一体どういうことなんだ…」

「まあ、驚くのも無理ないっスね。ちなみに、こちらの平子サンも同じようなものなんスよ」

「俺の場合は藍染のおかげでこんな体になってしもうたんやけどなァ」

「とにかく、何で夜サンは元の世界に戻っちゃったんですか?黒サンも一緒だというのも気になりますね」



月光華を含めた四人は、夜が元の世界に戻ってしまった理由を探す。
しかし、考えたところでやはり解決方法は見つからず、四人もまた途方に暮れていた。
その静寂を破ったのは冬獅郎だった。



「なあ、月闇の斬魄刀も一緒に行ってるんだろ?お前も月闇の斬魄刀なんだから、その…意志の疎通みたいなものはできないのか?」



月光華に向けて問いかける。
しかし、月光華は暗い顔をする。



「何度もやってみたんだけどよ、アイツ全然反応しねえんだ。恐らく、向こうの世界に戻った夜の力が足りねえんだろ。”黒”の奴は俺以上に夜自身の力に大きく左右されるからな」



すると、喜助が思いついたように話し出す。



「ということは、向こうでの夜サンの霊力が戻ればアタシたちとも連絡が取れる可能性があるってことっスよね?」

「そういうことになるが、あっちの世界には此処みたいにそうそう霊力の高い奴がいるとも限らねえし…」



それもそうっスねと肩を落とす喜助。
再び浦原商店の一室は静かになった。



―虚圏



「藍染様、先ほど奇妙なことが…」

「ウルキオラか。どうしたんだい?」



藍染の座る玉座の前、ウルキオラは跪いていた。
彼にしては珍しく困惑した様子で、その様子を見た藍染も何が起こったのかと不思議に思っている。



「市丸様が…消えました」

「消えた?それはどういうことなんだい?」



予想もしなかったウルキオラの言葉に戸惑いを隠せない藍染。
ウルキオラは先ほど自らの目の前で起こったことを説明する。



「いつものように市丸様がグリムジョーをからかい、私はそれを遠くから眺めておりました。しかし、突然市丸様の周りに光が現れ、その光が消えた時にはすでに市丸様はいらっしゃいませんでした。すぐに市丸様の霊圧を捕捉しようとしたのですが、どうやら虚夜宮内はもちろん虚圏にもいらっしゃらないようなのです」



ウルキオラの話に静かに耳を傾けていた藍染だったが、やがて何か思いついたようにニヤリと笑みを浮かべた。



「このことを知っているのは君だけかい?」

「いえ、グリムジョーもその場に居りましたので知っています」

「そうか。彼にも私から言っておくが、このことは内密に頼むよ。それから…一つ任務を与えよう」

「はい。かしこまりました」



藍染からとある命を受けたウルキオラは、現世へと向かった。



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