「そや、さっきリサがやって拳西で二人目や」 『二人目…か。なあ真子、残りの時間全部私にやらせてくれねえ?』 夜の申し出に驚く真子。 「アホか!いくら夜でも無理や!」 『大丈夫だって。危なくなったら代わってもらうからさ』 真子の言葉も聞かずに、夜は結界の中へと飛び込んだ。 『拳西、私と代わって。一護、覚悟しろよ』 すっと虚化の進行している一護を見て、刀を構える。 『月光華、力を貸してな…』 ―ハァ…ハァ… 夜が結界に入って40分ほど過ぎた。 虚化の進む一護は斬っても斬ってもすぐに回復してしまう。 『超速再生か…。拳西、今何分経った?』 「68分44秒だ」 『もうそろそろか。最後くらいいいかな、卍解…黒月光華』 夜は卍解し、仮面も引き出す。 『ちょうど相殺できるといいけどな。死ぬなよ、一護』 ―黒虚閃(セロ・オスキュラス)… 夜が一護に手をかざしたその瞬間、一護の仮面にひびが入った。 『なんだよ、せっかくの見せ場だったのに…』 残念そうな顔をしながらも、夜はさっと結界を出る。 ―バキンッ 一護の仮面が割れた。 それと同時に、一護は地面に倒れる。 夜は一護の元に歩いていく。 『一護、気分はどうだ?』 「夜居たのか…。悪くねえ…」 内在闘争が終わった後、少し休憩した一護は修行を始めようとする。 「一護、もう大丈夫なんか?」 「おう!早く虚化すんのに慣れたいしな!」 「ほな、やるで。」 「おい!夜は?」 夜にも修行手伝ってもらいてえんだけど…という一護を真子は笑う。 「アホか。お前ごときが夜に相手してもらおうなんて百年早いねん」 「どういう意味だよ!?」 「そのまんまの意味や」 なんだと!?と真子に突っかかっていく一護を見ながら、他の面々は苦笑いしている。 「そや、一護にあのこと言わんでええの?夜の虚化…」 そう呟いたのは矢胴丸リサ。 一護は夜が虚化できることを知らないのだ。 「ああ、それは夜が言うなって。突然虚化して驚かせたいんやと」 アイツもようわからんやっちゃなァ〜とひよ里は笑う。 「でもまあ、ウチは嫌いやないで?」 ひよ里の言葉に一同は頷いた。 ←→ back |