五日後、空座第一高校。
現世に来た夜は久しぶりに登校していた。
前の席に座る一護の後ろ姿は、どことなく暗い。



―ガラッ



「オーッス、元気か一護!」

「れ…恋次!一角!弓親!乱菊さん!冬獅郎!」

「…日番谷隊長だ!」



呼び方を訂正する冬獅郎の声は一護の耳には入っていないようだ。



「お前らなんで現世に…って夜、何笑ってんだよ!?知ってたのか!?」



一護の後ろで必死に笑いを堪えている夜に気づき、一護は問い詰める。



『当たり前だろうが。これでも副総隊長だ』

「俺らは命令で来たんだよ。“破面”との本格戦闘に備えて、現世に入り死神代行組と合流しろってな」

「アラン…って何だ?」



聞きなれない言葉に一護は首を傾げる。
その時だった。
窓のほうから声がした。



「たわけ!貴様がこの間ボコボコにやられた連中のことだ!」



聞きなれたその声のほうを向くと、仁王立ちのルキアがいた。



「ルキア…」

「久しぶりだな、一護!」



「ル…ルキア…」



一護が何か言おうとしたその時だった。



―ドカァッ



「痛っ、てめえ何すんだよ!」

「何だ!その府抜けた顔は!」



ルキアはさっと一護を死神化すると、どこかへ連れて行ってしまった。



『やっぱりこうなったか…』

「仕方ないわよ〜、まああれはあれでそそるモンがあるけどね!」

「どこが!?」

「別にアンタに同意は求めてないわよ、弓親。ねえ夜?」

『私に同意を求めんな!』



一同が様々な反応を見せていると、教室が騒がしくなっていた。



―おい、あいつら何者だ?

―黒崎の知り合いか?でも、月闇とも仲良さそうだよな…

―つか、黒崎やばくねえ?ぐったりしてるぜ。

―やっぱりあいつらやべえよ。赤い髪だし…木刀さしてるし…金髪…銀髪…オカッパ…ハゲ…巨乳…ハゲ…



“ハゲ”という言葉に反応した一角が静かに木刀を構える。



「おい…今ハゲっつった奴、順番に出て来い…」

「一角!僕も加勢するよ!」



教室の中はもうめちゃくちゃになっている。



『やっぱり冬獅郎が来てくれてよかった…』

「誰か、この位置代わってくれ…」



青ざめる冬獅郎を見て、自分ひとりじゃなくてよかったと心から思う夜だった。


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