次の日―



『おはよー一護』

「おう…」



昨日のことを考えているのだろう。
一護は思いつめたような表情をしている。



『昨日のことだけど…』

「おはっよう!黒崎くんと夜ちゃん!」

「おはようさん!一護クンと夜チャン!」



夜が口を開きかけた時、真子と織姫が教室に入ってきた。



『ああ…二人ともおはよう』

「平子…ちょっと来い!」



真子の姿を見るなり、一護は真子をどこかへ引っ張っていった。



「あれ?平子くんと黒崎くんもう仲良くなっちゃったのかなぁ?」

『そうなんじゃねえの?ちょっと私も行くわ』



夜は二人の後を追った。



「平子、お前なんでまだ学校に来てんだよ…」

「なんやねん…オマエまさか昨日の今日でもうオレが諦めた思うてんのとちゃうか?しつこいで、オレは…」



―もう遅いねん。オマエが仲間や思うてる奴らとオマエは違う。このままやといずれオマエは内なる虚に呑まれて正気を失う。そうなったら終いや。



―オマエの”仲間”巻き込んで全て粉々にしてしまうんやで…



『真子、あんまり一護のこと苛めんじゃねえよ』

「何や、夜か。苛めてんのとちゃう、正気の保ち方教えたる言うてんのや。夜からも言うといてや」



真子はめんどくさい…と言いながら学校を出て行った。
残された一護は酷く暗い顔をしている。



『一護?おい、一護!』



夜の呼びかけにやっと気がついたのか、一護は顔を向ける。



「何だよ?夜も平子の“仲間”なのか?」



夜は少し考えて答えた。



『私は誰の仲間でもねえよ。ただ…一護と同じだ』

「同じ…?」

『いずれわかる。ほら、さっさと教室戻るぞ!』



自分の力が“仲間”であるはずの者たちを追い詰めていく…
一護の心の葛藤に気づきながらも、夜は複雑な気持ちだった。



『“仲間”か…』



一護の心の内がわかる夜にとって、その言葉は自分にも当てはまるものだった。


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