現世に来て二日目、夜は学校へと来ていた。 「よっ月闇、久しぶりだな!もう体の具合は良いのか?」 『はい、大分良くなりました』 体調が優れず長期入院していることになっていた夜。 全く疑問に思われていないことを不思議に思ったが、まあいいかということにした。 『そういえば越智先生、転校生が来るって噂で聞いたんですけど…』 「お前、学校に来てなかったわりによく知ってるな!転校生なら今日来るぞ!」 間に合ったか…とほっとしながら、夜は教室へと入る。 「夜!?お前どうしてここに…」 一護以外には昨日現世に来たことを報告していたため、一護だけが驚いていた。 「聞いていなかったのかい?月闇さんは昨日こっちに来たんだよ」 「そうだよ?しばらくこっちに居るんだって!」 「ム…」 「何で俺だけ知らせてくれねえんだよ!?」 予想通りの反応をする一護に必死に笑いを堪える夜。 「てめっ…何笑ってんだよ!」 『悪い、一護面白くて…』 その時だった。 担任の越智が教室へと入ってきた。 「てめえら席つけー、今日は転校生が来たぞ!平子、入れー」 「どうもォー、偏平足の平に小野妹子の子に…」 ああやっぱりこの紹介の仕方なあだ…と半ば関心している夜を他所に、真子の自己紹介が続く。 「よーし!じゃあ席はそこ、月闇の隣な!」 「あいあーい…!?」 月闇と呼ばれた生徒のほうを見ると、夜がにっこりと笑っていた。 「オマエっ…」 人差し指を唇に当てて、何も話すなといわんばかりの顔でこちらを見ている夜に気づき、真子は何事もなかったかのように夜の隣に座る。 『よろしくな、平子真子くん?』 「なんで夜が此処におんねや…」 『それより一護に挨拶しなくていいのか?』 「あかん、忘れとった!仲良うしてや、黒崎くん」 「お、おう…」 一護のほうを向き真子が挨拶をしようとしたときだった。 ―ホロ゛ーウ!ホロ゛ーウ! 一護の代行証が鳴り出した。 「悪い!越智さん、ちょっと便所!」 一護は急いで教室を出て行った。 『悪いな、一護はああいう奴なんだよ』 「かまへん。思うてたまんまや…」 真子は怪しげな笑みを浮かべていた。 そして休み時間になると同時に、夜は真子に連れ出された。 『痛えよ、真子!』 「あ、すまん…。で、何で夜が高校生しとんのや?」 尸魂界へ行った後も何度か真子に会ってはいたが、今回現世に来たことはまだ言っていなかったのだ。 『なんでって…死神代行のサポート?』 「なんでそこが疑問系なんや!だいたい、帰ってきたなら一言声かけろっていつも言うてるやろーが!」 悪い…と言いながら俯く夜。 その様子を見た真子は慌てだす。 「冗談や、冗談!今回はどんくらいこっちに居るんや?」 『しばらくは居ることになると思う。いろいろと動き出すだろうしな』 「そうか…。副総隊長直々にこっちに来るやなんて、尸魂界もちょっとずつ準備しとんのやなあ〜」 皮肉を込めたような口ぶりで真子は言う。 『いや、今回のことは私が勝手に決めたんだよ』 「っちゅうことは、もうすぐ何か起こるんか?」 夜が未来を知っていることを知る真子は難しい顔をする。 『まあな…。真子たちも一護のことは気づいてんだろ?』 当たり前や、せやからわざわざオレが此処に居んねん… ←→ back |