現世、穿界門を出た一護たちを待っていたのは喜助だった。



「お帰りなさい。アタシのこと聞いたんでしょ?」



不安げな顔で一護を見る喜助。



「ああ。でも、別に恨んじゃいねえよ。俺はアンタに強くしてもらったんだ。でも…」



ルキアにだけはちゃんと謝っとけよ?



「はい…」

「そうだ、これ夜が渡してくれって」



一護は夜から預かった紙を喜助に渡す。



「夜サンからっスか?ラブレターですかねえ…」



にこにこしながら紙に書いてある文字を見る喜助。



「Je reviens tout de suite…」

「なあ、それどういう意味だ?」



ふふ…と笑いながら喜助は返す。



「ラブレターっスよ。愛の告白です!」



嘘だろ!?本当なのか、石田!と騒ぐ一護に取り合わず、喜助と雨竜は顔を見合わせる。



すぐに戻る…ですか。
楽しみですね、夜さん…



「夜、久しぶりだな」

『そうだな、ずっと此処に来てなかったからな』



その頃、夜は精神世界へと来ていた。



「で、何か用か?」

『別に用はねえんだけどな。そうだ黒は?』

「ああ、アイツなら今寝てる。久しぶりに力使って疲れたんだと」



藍染さんとギンに使ったんだったな…と苦笑する夜。
月光華はそれをみて笑う。



「黒にも言っといてやるよ、もっと修行しろってな」

『なんだよそれ、私にももっと修行しろって?』

「当たり前だろ?黒も俺も夜の力だ。使い手が弱いとそれだけ俺らも弱くなるんだよ」



ククッと笑う月光華に複雑な気持ちになる夜。



『わかってるよ、もっと強くなる。だから…その笑い方はやめろ』



笑い方?と首を傾げる月光華だったが、すぐにその意味に気づきニヤリとする。



「ギン、だったけな…そいつと同じような笑い方すんなってのか?」

『そうだよ、悪いか?』



面白がっている様子の月光華を夜は睨む。



「そんな怖え顔すんなよ。連絡手段ならあるんだろ?」



ほら、と夜の右手を指す。



『うるせえな…今はまだいいんだよ』

「“今は”ねえ?」



からかうんなら戻る、そう言って夜は精神世界から出て行った。



「黒、隠れてねえで出て来いよ」

「なんだよ、バレてたのか」



舌打ちをして黒が出てくる。



「当たり前だろ。それより黒、てめえはどうすんだ?夜は“あっち”にも大切な奴がいるみてえだけど」

「関係ねえよ。俺らは夜に付いていく、それだけだ」

「そうだな…」




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