教室に戻った夜はとある人物のほうへ向かう。



『石田雨竜…だよな?』



突然名前を呼ばれた雨竜は驚いて顔を上げる。



「君は…月闇君だったかな?驚いたよ、何故僕の名前を知っているんだい?」



夜を不審に思った雨竜は顔をしかめながら尋ねる。



『まあ…ちょっとな。話したいことがあるから、放課後屋上に来てくれ』



何故…そう問い掛ける雨竜を無視して夜は席に戻る。


―放課後―



『遅えなぁ…まさか来ないつもり「お待たせ」』



振り返ると雨竜がいた。



「日直の仕事があってね…それで、話ってなんだい?」

『雨竜はさ…死神が嫌いなんだよな?』



何故そのことを知っているのか?そう言いたげな雨竜。



「君は…何者なんだい?死神ではないようだけど…」



夜の霊絡は白い。
それを確かめた雨竜は再び問う。



『私は一応人間だからな。でも、こうすれば…』



さっと死神化する夜。
それを見た雨竜は言葉を失う。



『残念ながら私は死神だよ』

「なぜ死神が此処にいるんだ!?黒崎の助けにでも来たのか!?」



思わず声を荒げる雨竜。



『まあ、そんなもんかな?そうだ雨竜…もう一護とは話した?』

「いいや…。どうやら彼は僕のことに気づいていないみたいだけどね」

『そう…。”勝負”するのはいいけど、周りに迷惑かけんなよ』



それだけ言うと、夜は屋上を去っていった。



「なんなんだ、彼女は…?まあいい。死神である以上、僕の敵であることに変わりは無い…」



雨竜は静かに呟いた。
それから数週間、夜は学校に通いながら一護の様子を見ていた。



『そろそろ…かな』



いつものように浦原商店へと帰っていく。



『ただいまーって…ルキア、居たんだ』

「「夜殿!お帰りなさいませ!」」

「夜サン、お帰りなさい」



テッサイ、ルキア、喜助の三人はなにやら話をしていたようだ。



『三人で内緒話でもしてた?』



笑いながら部屋の中に入る夜。



「いやぁ〜内緒話ってほどのことでもないっスよ〜」

『で、滅却師のお話はもう終わったのか?』



なんだ、知ってるんじゃないっスか〜vそう言って夜にお茶を差し出す喜助。
その時、ルキアの伝令神機がけたたましく鳴り出す。



「何なのだこれは!?虚の数がどんどん増えていく…」

『どうやら始まったみたいだな。テッサイさんはチャドを探して!喜助さんは織姫のところに…たぶん学校だから!ルキアは私と一緒に一護のところへ!』



一護の元へ走りながら、夜は考えていた。



―あれ…この話ってルキアが現世にきて二ヶ月くらい経った後の話じゃなかったっけ?なんでこんなに展開が早いんだ!?―


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