―翌日、空座第一高校― 「一護…貴様は月闇夜という御方を知っておるか?」 神妙な顔でルキアは一護に尋ねる。 「月闇?誰だ、それ?」 「そうか…ならば、何故夜殿は一護のことを知っていたのか?まさか、もう尸魂界に一護のことが知られてしまっているのか!?」 昨夜の夜との会話を思い出しながら、ルキアは考え込んでいた。 「おーっす!オラァー席つけ!」 担任の越智が教室に入ってきた。 「今日はステキな転入生を紹介するぞ!喜べ、女だぞー!」 この時期に転入生なんて珍しい…皆はそう口にしながらざわついている。 「入れ、月闇!」 『失礼します。初めまして、月闇夜といいます』 転入生としてやってきたのは夜だった。 「よーし!月闇の席はそこのオレンジの後ろな!」 わかりました、そう言って席に着く夜。 『よろしくな、黒崎一護』 一護は自分の名前を知られていたことに驚いていた。 斜め前を見ると、ルキアが信じられないといった目でこちらを見ている。 そして休み時間― 「夜殿!どうして此処に!?」 『昨日も同じ質問された気がするよ。どうしてって…黒崎一護のサポートをするため?』 笑いながら答える夜。 『さて…と。一護にも言っておかないとね』 水色たちと話をしている一護のほうへと歩いていく。 『黒崎くん、ちょっといいかな?』 にこりと微笑むと、半ば強引に一護の手を引き、そこから連れ出す。 「ちょっと…月闇っていったっけ?お前いきなりなんなんだよ!つーか、なんで自己紹介もしてねえのに俺の名前知ってんだよ!?」 『ったく、ガタガタうるせえな。ちょっとは静かにしろよ…死神代行』 「おまっ…何でそれを!?」 驚いている一護の元にルキアが走ってくる。 「貴様!夜殿に向かってその口の聞き方はなんだ!このたわけ!」 「ルキア!お前の知り合いなのか?ってことは…死神!?」 「この御方は副総隊長だ!」 「副…総隊長?」 聞きなれない言葉に困惑する一護。 『まあ、少しは偉い人ってこと。それより一護、私はアンタのサポートをするためにこっちに来たんだ。なんかあったらすぐに言えよ。あと、私のことは夜でいいから』 そう言うと、夜は教室へと戻っていった。 ←→ back |