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私は…



大きな過ちに気付いた時にはもう遅かった。



『乱菊、冬獅郎を呼んできてくれ』



私は一つの決断をした。
その実現のためには彼の協力が必要だった。



「失礼します。暁隊長、俺に何か…」



隊首室に入ってきた冬獅郎は、何かを悟ったようだった。
私が何を言わんとしているのか、そして己のこれからも。



『冬獅郎、卍解を修得まであと少しだな?』

「…はい」

『ならば、これからの十番隊を任せてもいいな』



これは冬獅郎に意見を聞いたのではない。
あくまでも決定事項で、首を横に振ることは許されない、そういった雰囲気を醸し出しながら私は冬獅郎を見た。
まだ幼いその瞳は、何かの決意を秘めたようであった。



「隊長がそうおっしゃるのなら」



聞きたいことは山ほどあっただろう。
しかし、それを聞かずにただ頷いてくれた彼に感謝した。
冬獅郎に話をした翌日、私は一番隊隊舎へと向かった。
用件はただ一つ。



『失礼します、暁です』



隊首室の扉を叩く。
その部屋の主はいつもと同じ心地よい霊圧だった。



「優奈か。今日はどうしたのじゃ」

『死神を辞めさせてください』



その言葉を聞いた瞬間、山じいの顔は険しいものになった。
無理もない、本来自己の都合で死神を、しかも隊長を辞めることなどできないのだから。



「ならぬ」



予想通りの返答が返ってきた。
私は仕方がなく、その場で斬魄刀をすっと抜いた。



『認めてもらえないのならば、ここで私は霊子となります』



自らの身体に刃を突き立てた。
我ながら酷いことをするものだと思った。
それでも…そこまでしてでも私は此処にはもういることはできないと思った。

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