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『鈴…私はどうしたらいいだろうか』



妹の眠る丘に私は座っていた。
私の所為で妹は両親を亡くし、自らの命までも失った。
このことを知れば私を怨むだろうか。
返事はない。



『それでも私は愛しているんだ…』



あの時、無意識のうちに黒崎という死神代行から惣右介を庇っていた。
そして、惣右介が捉えられたと聞かされた時、まだ生きているということに心のどこかで安堵した。
大逆の罪人であるあの男を、私から全てを奪ったあの男を、どうやら私は愛してしまったらしい。



『許してくれるか?鈴…』



やはり返事はない。
私は立ち上がり、その場を後にした。



『元十番隊隊長、暁だ』



重々しい扉の前で名乗る。
しばらくの後、扉がゆっくりと開かれた。



「何の用だ?」



顔を隠した四十六の者達。
その視線が私に集まる。



『地下監獄最下層、第八監獄“無間”への立ち入りを許可して頂きたく参りました』

「ならぬ」



答えは分かっていた。
それでも、私は引くわけにはいかなかった。



『もちろんただでとは言わない。貴方達は私の力を脅威に思っているのだろう?この暁家の当主としての力を。それがここで潰えるのだとすれば、どうだ』



しばらくこそこそと話し合っていた面々だったが、やがて一人が口を開いた。



「よかろう。お前の命と引き換えに立ち入りを許可する」



そうして私は惣右介のいる監獄へと足を踏み入れた。

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