>> 3 目を覚ますと、真っ白な天井が目に入った。 身体に違和感を感じると思えば、いくつもの管に私は繋がれていた。 「目を覚ましたのですね。優奈さん」 『卯ノ花…私は…』 「どうやらもう必要はなさそうですね」 にっこりと笑って、卯ノ花は管を抜いていった。 あの後一体何が起きたのだろう。 惣右介は、ギンは… 「藍染惣右介は捉えられました。二万年の刑に処せられるとのことです。市丸ギンは…」 その時だった。 部屋の扉が勢いよく開かれて、私に衝撃が走った。 「優奈さん!大丈夫!?」 『乱菊か、久しいな』 「俺もいます」 入って来たのは私に飛びついてきた乱菊と、その後ろで顔をしかめる冬獅郎だった。 二人とも傷はもう癒えているようで、安心した。 「優奈さん…ギンなんだけど…」 乱菊の表情から察するに、彼もまた捉えられたかあるいは… 「市丸は消えました。最期に藍染を裏切って」 『ギンが惣右介を…?』 もういないということを悲しむべきなのか、最期に良心がみれたことを喜ぶべきなのか。 恐らく乱菊も同じ気持ちなのだろう。 『乱菊、大丈夫か?』 「大丈夫ですよ!あんな奴いなくても平気です!」 いつものように笑って見せる乱菊だったが、心なしかその笑顔は暗い。 冬獅郎もそのことに気づいているのか、眉間に皺を寄せている。 「暁隊長こそ、御身体は?」 『冬獅郎、私はもう隊長ではない。身体は平気だ』 「でも優奈さん、藍染は…」 乱菊が言いづらそうに惣右介の名を口にした。 罪人として捉えられているその男の名を。 『案ずるな。惣右介は私の敵でもあるのだ』 自分に言い聞かせるように放った言葉。 そうだ、惣右介は今や私の敵。 私から幸せな日々を奪った張本人なのだ。 prev//next back |