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その後も、やはり私は優奈と会うことはなかった。
優奈は私の事など忘れているのだろうか。
今は護廷の総隊長の家に引き取られていると噂で聞いた。
そして、近々霊術院に入るとも。



「隣、いいかい?」



屋根の上で授業を抜け出している優奈を見つけた。
声をかけてみれば“藍染”と呼ばれた。
彼女は私を覚えてはいなかった。



「僕のことは惣右介でいいよ」



こうして、優奈との新しい日々が始まった。
優奈は幼い頃にも増して輝いていた。
あの真っ直ぐな瞳は健在で、死神となってからも隊長や隊士の皆から好かれていた。
柄にもないが、嬉しかった。
優奈とこうして笑いあえていることが、私の本性を知ってもなお私に笑いかけてくれることが。
けれど、私の中に巣くった醜い感情は止めることができなかった。



『惣右介、平子たちに何をした?お前は一体何をしようとしているのだ』



そうか、優奈はやはり平子達のことが心配なのだ。
そう思うと、余計に彼らが憎くなった。
仲間にならないか、と言えば、答えは否だった。
それからというもの、私達の間には壁ができた。



「藍染隊長、優奈サンには何もせんといて下さいね」



いつだったか、ギンに言われたことがあった。
そんなこと私がするはずがない。
私に弱点があるとすれば、それは優奈だ。



「大丈夫、優奈を傷つけるようなことはしないよ」



あの日、確かに私はそう思っていた。
それなのに、目の前にいる優奈は私に刃を向けていた。
優奈はただ穏やかな時を送りたかったと言った。
しかし、彼女のいうその時の中に私は居なかった。



「私は君を愛しているんだ。あの日からずっと」



地に伏せる優奈に言った。
もう少し、あと少しで私の世界になる。
そしたら優奈を迎えに行くよ。

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